2012-10-14

東野圭吾「あの頃ぼくらはアホでした」集英社文庫(470)筆者の中学高校時代のことを書いたエッセイ集。年齢が近いせゐか、面白く読んだ。その中で、P114「F高校は日本で最初の服装自由高校となったのである」とあるが、母校渋高も当時は服装自由で、年齢からすれば渋高のはうが一、二年早い。P210「鈍く黄銅色に光る巨大な容器を」とあるが、黄土色ではないか。言ひたいことは解るが、色の種類としては「黄銅」ではなく「黄土」だと思ふ。広辞苑によれば「黄銅」=「真鍮」とあり、真鍮の色といふ意味なのだらうか。P83からの「つぶら屋のゴジラ」を読んでゐたら、大昔、小学生の頃のことが突然蘇つた。まつたく忘れてゐたことで、恐らくこの本を読まなかつたら思ひ出さなかつたらう。それは近くの映画館で募集した怪獣の絵のことだ。オリジナル怪獣の絵を書いて応募し、入賞すると(たぶん)映画の無料券を貰へるといふものだつた。オレは張り切つて応募し、見事入賞。どんな怪獣の絵だつたか思ひ出せない。もう一人入賞者がゐて、記憶がはつきりしないが中学の美術部で一緒になつた人だと思ふ。で、商品の映画の無料券を貰つたのだが、それで何を見たのかは思ひ出せない。オレの書いた怪獣の絵ともう一人の絵が映画館の入り口に張られてゐたのを覚えてゐる。更にその映画館はオレたちの書いた怪獣に名前を付けるといふ募集をした。オレはそれにも応募した。どんな名前だつたかは覚えてゐない。で、またしても入賞。どつちの募集も一体どれくらゐの応募人数だつたのかは知らない。少なかつたのだらうね。商品はやつぱり映画の無料券で、今度は四谷怪談だつたか、幽霊がでてくる映画で、当時は一人でトイレに行くのもビビるほどの怖がりだつたから、見に行ける筈もなく、誰かに譲つたか、無効にしてしまつた。

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