2012-10-31
2012-10-27
2012-10-22
2012-10-20
2012-10-19
2012-10-16
小峰元「アルキメデスは手を汚さない」講談社文庫(471)東野圭吾がこの小説との出会ひが運命を変へたと帯に書いてゐる。まへに読んだエッセイにも、本嫌ひの高校生だつたが、この本を読んでから本を読むようになつた、と書いてゐる。だから読んだ、ワケでもない。まつたく関係ないとは言はないが、題名は知つてゐたし、扱はれてゐる時代がどうもオレが高校の頃とダブるやうなので読まうと思つた。昭和48年度の江戸川乱歩賞受賞作で、当時オレは高2だ。こんな風に大人からは見られてゐたといふことだらうか。ちよつと違ふ気がするが。何れにしても、後味が悪い。美沙子はどうして死んだのか、刑事の推理しか書かれてゐない。毒入弁当の砒素系農薬の入手方法も書かれてゐない。P85「さきほど柴本が"彼らは発想の次元が違うと嘆いた"」と書いてあるが、遡つても見当たらない。見落としてゐるのかも。些細なことが気になる。乱歩賞受賞作は続けて読んだ時期があり、もしかしたら読んでゐるかも知れない。
2012-10-14
東野圭吾「あの頃ぼくらはアホでした」集英社文庫(470)筆者の中学高校時代のことを書いたエッセイ集。年齢が近いせゐか、面白く読んだ。その中で、P114「F高校は日本で最初の服装自由高校となったのである」とあるが、母校渋高も当時は服装自由で、年齢からすれば渋高のはうが一、二年早い。P210「鈍く黄銅色に光る巨大な容器を」とあるが、黄土色ではないか。言ひたいことは解るが、色の種類としては「黄銅」ではなく「黄土」だと思ふ。広辞苑によれば「黄銅」=「真鍮」とあり、真鍮の色といふ意味なのだらうか。P83からの「つぶら屋のゴジラ」を読んでゐたら、大昔、小学生の頃のことが突然蘇つた。まつたく忘れてゐたことで、恐らくこの本を読まなかつたら思ひ出さなかつたらう。それは近くの映画館で募集した怪獣の絵のことだ。オリジナル怪獣の絵を書いて応募し、入賞すると(たぶん)映画の無料券を貰へるといふものだつた。オレは張り切つて応募し、見事入賞。どんな怪獣の絵だつたか思ひ出せない。もう一人入賞者がゐて、記憶がはつきりしないが中学の美術部で一緒になつた人だと思ふ。で、商品の映画の無料券を貰つたのだが、それで何を見たのかは思ひ出せない。オレの書いた怪獣の絵ともう一人の絵が映画館の入り口に張られてゐたのを覚えてゐる。更にその映画館はオレたちの書いた怪獣に名前を付けるといふ募集をした。オレはそれにも応募した。どんな名前だつたかは覚えてゐない。で、またしても入賞。どつちの募集も一体どれくらゐの応募人数だつたのかは知らない。少なかつたのだらうね。商品はやつぱり映画の無料券で、今度は四谷怪談だつたか、幽霊がでてくる映画で、当時は一人でトイレに行くのもビビるほどの怖がりだつたから、見に行ける筈もなく、誰かに譲つたか、無効にしてしまつた。
2012-10-13
2012-10-07
2012-10-05
2012-10-02
深沢七郎「みちのくの人形たち」中公文庫(466)一つ読みをはると続けて次のが読めない。8月のすゑに衝動買ひした。それから間もなく読み始めたのに、こんなに時間がかかつてしまつた。解説を先に読むのは悪いクセだが、これも荒川洋治の解説を先に読んでゐる。荒川洋治と言へば、ずゐぶんまへにTBSラジオで、永六輔の番組だつたかに時折出てゐた。どんな話をしたかは忘れたが詩人であること、そして名前は記憶してゐた。序でに荒川洋治をwikipediaで調べたら、下のはうに関連項目としてゲド戦記挿入歌に対する批判、といふのがあつて、これをクリックすると、萩原朔太郎の「こころ」といふ詩に似すぎてゐる云々の批判を行つた、と出てゐた。朔太郎の詩は純情小曲集にあるので調べられたが、批判の内容がもつと知りたくなつて近隣の図書館で荒川洋治の本を置いてあるところを調べた。共著や編者としてではない著作が大泉3冊、館林6冊、邑楽町11冊だつたので、邑楽町の図書館へ出かけて纏めて借りて来た。なんといふ本だつたか忘れたが、確かに出てゐて、そんなことをしてゐるうちに時間を食つてしまつたのだ。深沢七郎と言へば「楢山節考」で内容は言ふまでもなく、この題名も独特だ。吉田健一が批判的だつたと丸谷才一が書いてゐたのを読んだ気がするが気のせゐだらう。この「みちのくの人形たち」も独特だ。文章も変なところがあつて、読み難いがなんとなく解つてしまふ。見た目は古臭くて下手糞な文章で、けして読み易くはないし、在り来たりな形容や、意味の分からぬ行替へや飛躍だらけの小説だが、読みをへると新鮮な驚きがある。どんなに書き方に工夫しようが、至る所に死が顔を覗かせてゐる、これは死をめぐる本である。
窪之内英策「特選幕の内」小学館ヤングサンデーコミックス(465・used)短いものから少し長いものまでを集めた「傑作集」。聞いたこともない名前の作者だつたが、BookOff朝倉店できのふ見つけた。題名もさうだが、頁の頭に幕の内弁当の絵があつて、おしまひに食べをへた弁当箱の絵。在り来たりと言へばさうだが。最初の「ラプラス」を読んで、ここで読んでしまつては勿体ないと思つた。ゆつくりウチで読みたい、と。この「ラプラス」が半分近い分量を占めてゐる。それだけ読ませる。線が綺麗で、特にコマを含めて定規で引いた直線がないことで、柔らかい印象がある。「HELP!」と「OKAPPIKI EIJI」は「ラプラス」とは線が違つてゐて、誰かに似てると思はせるが、誰だらう。いづれにしても大友克洋以降で、細野不二彦が似てる気がするけど。かういふとオリジナリティがどうした、独創性があるない、といふ話をオレが言つてると思はれてはしないか、気になるのだが、基本的に似てるつてことを否定的に考へてない。wikipediaで調べたら「ツルモク独身寮」つていふのを書いた人なのだ。これは聞いたことがある。読んだことはないけど。それと、あとがきの中で「まんが」を「まむが」と表記するのはどうなんだらう。「漫」は「まん」でいいんぢやないか。そこに込めてるものがオレには伝はらない。
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