2008-08-13

152.鍵

笹沢佐保・光文社文庫(used)
文庫オリジナルの短篇集である。全部で9篇。そのうち、ごく短いのが4編。1編は昭和43年の「高一時代」に掲載されたもの。主に昭和40年代(凡そ40年前)に書かれたものだが、古さは感じなかつた。吉田健一の「大衆文藝時評」で笹沢佐保は屢々取り上げられ、褒められてゐたので機会があればと思つてゐた。漸く機会が来たわけだ。どれも皮肉な結末で、面白く読んだ。2篇目「華やかな告発」のラストは作り過ぎでは?