2017-01-23

683.後妻業

黒川博行・文藝春秋(吉岡町図書館)。結婚相談所を利用して老人を騙し、果ては殺人を犯す人たちの話。更に探偵事務所の元刑事や家族の思惑が絡んで展開する。自業自得といふか、最後には天罰が下る。欲張つた分だけ非道い目に遭ふ。読みをはつて不快な思ひが残らないのがいい。

2017-01-11

682.国境

黒川博行・講談社文庫(used)。いやあ、面白い。暮れから読み始め、漸く読み終へた。半分くらゐ読んだところで一休みした。なにしろ長い。830頁、厚さ3cm余りの文庫だ。他の出版社からも文庫が出てゐて、そつちは2冊に分冊。もともとは1冊ものなので、こつちを選んだ。相変はらずの桑原が堪らなくいい。
北朝鮮を舞台に疫病神コンビが詐欺師を追ひ掛ける。北朝鮮の事情も書いてあつて、悲惨といふか、適当な言葉が見つからない。誰のせゐかはつきりしてるのに、ひつくり返すことが出来ない。公開処刑と餓死と賄賂。
この疫病神シリーズの「破門」は2015年にスカパーでドラマになつてゐるので、それを観たいと思つた。映画にもなつてるけど、ドラマのはうが観たい。ドラマは桑原が北村一輝で、二宮が濱田岳。濱田岳はauのCMで金太郎役の人だ。二宮のイメージに近い。ただ桑原は極道だけど、もう少し神経質さうな人物のイメージで読んでる。と言つて映画の佐々木蔵之介ではないよなあ。なんたつて、凶暴だから。その辺りは北村一輝のはうが近いかなあ。
この「国境」は2001年の第126回直木賞の候補になつたが受賞しなかつた。因みにその時の受賞者は唯川恵氏と山本一力氏。黒川博行は2014年に「破門」で受賞。「破門」も疫病神シリーズだ。

2017-01-05

681.あずまんが大王 3年生

あずまきよひこ・小学館(used)。寝るまへに屢々蒲団の中で読み返してゐる、と書いたが、偶然「3年生」を見つけた。猫好きなのに咬まれてばかりゐる榊さんがなんとイリオモテヤマネコに好かれるといふ展開。よかつたねえ、榊さん。