2007-04-16

榛名湖殺人事件(再読)

中町信・TOKUMA NOVELS
中町氏のコレクションの中から敢へてこれを選んだワケは勿論タイトルで、榛名湖、伊香保、前橋などの地名が出てくるし、刑事はなんと渋川署だ。豊田商事事件の頃に書かれたものか、開堂商事といふ名前の似たやうな悪徳商法の会社が出てくるのはいいのだが、この会社は倒産してから三年近くたつ、と主人公の有馬(これも渋川の地名で存在する)悦子と入院してゐる病院の婦長との会話の中で話してゐるのに、開堂商事主催の伊香保旅行が二年前、更にそこに有馬が努めてゐたのが一年半前だと書かれてゐるのは、一体どう解釈すればいいのだらう。倒産した会社に勤めるなんてことが出来るのか。今回読み返して気になつたのはそこだけど、前に読んだ時には気づかなかつたのかなあ。幾つか伏線らしき部分、引つ掛けの部分には騙されなかつたから真犯人は解つたけど、トリックは完全には解けなかつた。

2007-04-12

71.殺人交差点

フレッド・カサック/平岡敦訳・創元推理文庫
最後の最後で、ホントに最後のページで真相が知らされる。さうだつたのか、やられた、と思つた。表題作のほかに「連鎖反応」といふのも入つてゐる。どつちもなかなか面白い。