2014-05-23

ぼくがぼくであること

山中恒・角川文庫(×2)。誰かに貸してそのままか紛失したかで再購入してからの再読。いつも心臓がどきどきしてるし、頬つぺた真つ赤で恥ずかしい、といふ主題歌もよかつたし、ドラマそのものも良くて、だからどうしてNHKで再放送しないのか、できないのか、できないのはフィルムが無いのか。テレビドラマデータベースといふサイトで調べたら、これは1973年の9月17日から26日まで、ゆふがたの6時5分から6時30分まで放映されてゐたのだ。またしても70年代だよ。ドラマのはうを実は先に見てゐる。主題歌は佐藤博といふ人の曲で「南風」。はつぴいえんどの曲みたいで、いいんだ、これが。「なんぷう」と読むのか「みなみかぜ」と読むのか、はたはた「はえ」か。どつちにしても、このドラマが好きで、本は後から読んだのだ。原作では「まるじんの正直=マサナオ」だが、どうも「しんでんのマサジ」といふ風にインプットされてゐるらしい。その辺を確かめたいので再放送かレンタルであればいいのに、と思ふ。山中恒はほかに「おれがあいつであいつがおれで」も面白かつた。大林監督の「転校生」、この尾美君はいいよ、鬼平の尾美君もいいけど、と小林聡美もいい。

2014-05-15

てとろどときしん

黒川博行・講談社文庫(×2)。読み始めたら止められない。黒川氏の正義感といふか、それが近しい気がして心地よい。全6話中4話に登場する黒マメコンビを是非もう一度書いてほしい。

2014-05-05

570.571.冬のフロスト 上下

R・D・ウィングフィールド/芹澤恵訳・創元推理文庫。相変はらずの仕事中毒ぶりで事件を解決してしまふ、このフロスト警部のシリーズも残念ながら後は未訳のA Killing Frostだけになつてしまつた。凡そ500頁で上下2冊だといふのに、長さを感じない。特に下巻のおとり捜査の顚末なんか途中で止められないよ。一番最後のところでフロストが漸く名誉回復し、メデタシメデタシ。フロストは中毒になるね。