2013-02-14

イアン・アーシー「政・官・財の日本語塾」中公文庫(527・used)続けてイアンの本。題名の「政・官・財」には「おえらがた」のルビがある。前回はあとがきを含めて325頁あるうちの138頁で挫折した。今回もう一度最初から読み始めた。不思議なもので、すらすらと最後まで読めた。文庫版あとがきで著者自ら言ふ「風刺文」として読めたといふことかな。皮肉や揶揄を楽しむつもりで読んだ。短い文章で、をかしな日本語を槍玉に挙げる人(自分も含めて)はたくさんゐるが、ここまで徹底して巫山戯倒せたのは、やはり日本語を外から眺める視点があつたからだらう。

2013-02-10

イアン・アーシー「怪しい日本語研究室」新潮文庫(526・used)まへに書いたが、読み始めて1/3くらゐで滞つてしまつた。それから暫くそのままにしてゐた。最近、小説が読めなくなつてゐて、そのせゐか、かういふエッセイなどのはうが読める。P14いきなり「ど真ん中」はないでせう。P53肉の「ニク」は音読みで訓は「しし」、さうなんだ、勉強になりました。P176〜177、日本史を勉強してゐた頃に古文書に挑戦したさうで、書く順番と読む順番が違ふものがあつて、例へば江戸時代の借用証書には「為後日仍如件」で締めくくられてゐるが、これはそのまま文字の順に読むのではなくて「後日の為、仍って件の如し」と読むといふ「ひねくれた順狂せの表記法」と書いてあり、その名残が「含消費税」や「禁無断転載」「至新宿」「乞う御期待」などだと言ふ。これは本気で言つてるのか読み手を試してるのだらうか。最後のはうのマヤ文字と日本文字の類似性について書かれた部分、P180以降はかなり専門的なのでよく解りませんでした。

2013-02-03

業田良家「独裁君」小学館(525・used)独裁君はよく似たアジアの独裁国の代表者が主人公の4コマのギャグ漫画。「わしズム」に連載されたもの。中に「慈悲と修羅」といふのが入つてゐて、これはギャグではない。これはどこかで実際にあつた話なのか。世界のことに疎くて、……。