2010-11-29

荒川弘「鋼の錬金術師」ガンガンコミックス全27巻(336〜362・一部usedあり)読了。ほぼ予想通りにハッピーエンド。もう一度最初から読み返してコメントします。読み返しながら、少しづつ、日付入りで→

2010-11-26

中町信「夏油温泉殺人事件」ケイブンシャ文庫(335・used)を読了。「夏油」と書いて「げとう」と読む。岩手県北上市にある温泉。元はアイヌ語から来たといふ説あり(wikipedia)。氏家周一郎、早苗の夫婦探偵シリーズの中では面白いはうだ。得意の叙述トリックにまんまと騙される。ダイイング・メッセージの「あの人」の意外性よりも、発端となる転落事故で殺され人物について、なんの疑ひも持たずに読み進んでしまつたのが悔しいぞ。仲町作品は残すところ後6冊を残すのみ。かうなつたら、全部読むぞ。

2010-11-24

唐沢なをき「漫画家超残酷物語」小学館(334・used)読む。面白いところもある。けど、いつでも読み返せるやうに手元に置きたいといふほどではない。最後に触れてゐるが、「漫画家残酷物語」といふのが永島慎二に既にある。読んだやうな気もするが自信がない。永島慎二は好きな漫画家だつた。描く絵が好きな漫画家だつた。フーテンとか、さうだ、柔道一直線だ。いまもむかしも、あんまりメジャーでない人が好きだから、ほかには石川球太(狼王ロボ)とか、園田光慶(怪獣王子)とか真崎守とか。あと平仮名の苗字の人で、園田光慶みたいな絵を描く人がゐたんだけど、名前が出て来ない。──話が逸れたが、唐沢なをきの絵も好きなタイプの絵だ。ちよつと古い、むかし風の線とか、コマとかがある。意図的なのかな。中身は昭和の初めの私小説のやうな印象。私漫画ではないただらうが、印象が葛西善蔵とか破滅型の私小説みたいに暗い。のにギャグ漫画。滅茶苦茶な人物名と強引な展開。第1話を読んで、その続きで一冊になつてる思ひ込んで買つたのだが、違つた。それがちよつと残念。

2010-11-21

貴志祐介「青の炎」角川文庫(333・used)読了。倒叙もの。うまい人だ。スラスラと読める。しかし、どうだらう。主人公が身勝手に見えてしまふ。殺す理由がどうにもすんなり受け入れられない。曾根でさへ、ホントにほかに方法はなかつたのだらうか。後味がよくない。「黒い家」のはうが好きだな。

2010-11-15

斎藤美奈子「文壇アイドル論」文春文庫(332・used)を読んだ。読んだことがあるやうな気がしてゐたが、'08/12月に「文学的商品学」といふのを読んでゐた。80年代〜90年代にかけての文壇アイドル(村上春樹、俵万智、吉本ばなな、林真理子、上野千鶴子、立花隆、村上龍、田中康夫)について書いてある。「はじめに」で自身が言ふやうに「作家論論」ですね。取り上げてゐる作家で読んだことがあるのは村上春樹(羊をめぐる冒険)と立花隆(同時代を撃つ)だけだつた。つまりオレは80年代〜90年代──20代半ばから40代半ばまでにあたる──にかけてその時代を代表する作家を読まないで過ごしたといふことなのだらう。まあ、面白く読んだ。

2010-11-11

井上靖「風林火山」新潮文庫(331・used)を読了。抜群に面白い。山本勘助は実在したかどうか疑問があるさうだ。しかし、ここには山本勘助がいま正に目の前にゐる。信玄晴信も、由布姫も於琴姫も。謙信さへもその姿が目に浮かぶやうだ。川中島の合戦が始まつたところで、勘助の最後で物語は終はる。解説は吉田健一。