2010-04-29

なんとなく望月峯太郎の「鮫肌男と桃尻女」を読み返した。ここ2年くらゐのあひだ、コミックを気まぐれに買ひすぎてる気がして、少し整理しようと思つて、金云々ではなく、場所を取る。から、読み返す気がないものは既にBookOff行き。先週、「座敷女」も読み返したら、面白かつたし、これは2007年の1月に読んでる。そのときは、あんまりなあ、だつた。手慣れた感じで、才能に寄りかかつてるやうで、ちよつとなあ、だつたのに、読み返したら、……面白い。たつた3年で、どうしてこんなに受け取りかたが違ふんだらう。絵はもともと好きなタイプの絵だし、これ、もしかしたら映画になつてるかな。若い監督が撮りたくなる感じの話だ。←1999年に映画になつてた(wikipedia検索)。

2010-04-26

赤川次郎「マリオネットの罠」文春文庫(263・used)を読んだ。第三章の途中まで、一気に読み進んだ。赤川次郎の文章は頭に入り易いので、まへの日どこまで読んだが考へる必要がない。第四章まで読み、やや期待はづれかと思ひきや、終章でのドンデン返しに吃驚。もう一度始めから、見落としがなかつたか読み返さねばなるまい。

2010-04-18

バトリシア・ハイスミス/青田勝訳「見知らぬ乗客」角川文庫(262)をどうにか読み終へた。ヒッチコックの映画とは勿論ちがふのだが、ブルーノーがミリアムを殺してからの展開が読んでゐて、よく意味が判らない。ガイとブルーノーの心の動きと行動、その説明が独特でなにを言つてるのかさつばり頭に入らない。ヒロインが入つてた短篇集はあんなに面白かつたのに、長篇は疲れる。

2010-04-14

苦戦してゐる。パトリシア・ハイスミスの「見知らぬ乗客」。赤川次郎の「人畜無害殺人事件」のまへから読み始めのに──いや、もしかしたら、もつとまへかも知れないが──途中で興味をなくして、未だに半分すぎたくらゐ。ほんとに読みにくい。修行のやうだ。短篇はすごく面白いのに、ハイスミスの長篇は疲れる。「リプリー」もさうだつた。

2010-04-11

スティーヴン・キング/深町眞理子訳「シャイニング」上下・文春文庫(260.261・used)を読み終へた。キューブリックの映画とは全然違ふといふ話は以前hiko8さんから聞いてゐたが、なるほど確かに違ふ。映画が気に入らなくて自ら脚本を書いたテレビシリーズ(全3回)といふのを見たことがあるんだけど、そつちのはうが近いのは当たり前だらうが、それでもずゐぶん省略してる。といふのも、原作はものすごく書き込まれてゐるからだ。クーンツもさうだけど、キングの場合は心理といふか、内面まで克明に書き込んでる。読みながら、トランスはまるでオレぢやないか、と思つた。軽井沢がもつと寒くて雪深く孤立してゐたら、どうなつてゐたことか。ダニーの不思議な能力のはうに注意が行つてしまふが、実は幽霊屋敷の話なんだね。
蛇足ながら、こんなホテル火災の原因を作つた家族、管理人に対して賠償責任とか、さういふ話はないんだらうか。その辺が心配、よけいなことなんだけど。(2010.04.13)