2010-12-30

佐々木雄二「自律訓練法」(366・used)。タイトルに赤字で「ストレスを簡単に解消!」とある。血圧が急に上がつたのも、ストレスが原因ではないか、と思つてゐる。具体的には特定できないけれども、そんな気がする。長い導入部(1/3くらゐ)から、実践篇へ。試して見る価値はあるかもね。続けて似たやうな本(林成之の本とか)を読んだのは、自分を変へたい、変りたいといふ気持ちがあるから。このままではいけないといふ思ひがある。自己閉塞状態に陥つてる気がしてならない。このまま定年になつて、老後を迎へ、死んでしまふのは堪らない、といふ思ひがある。

2010-12-27

小沼丹「黒いハンカチ」創元推理文庫(365・used)。面白かつた。名前だけは(井伏鱒二絡みで)知つてゐたけれども、作品を読んだのは初めて。「こぬま・たん」と思ひ込んでゐたが「おぬま・たん」が正しいさうだ。A女学院の女教師ニシ・アズマが主人公の連作短篇ミステリ。殺人事件もあるが、殆どが日常生活の中で起るちよつとした事件、犯罪だ。昭和三十二年四月から1年間雑誌に連載されたといふから、風俗は古めかしいが、内容はいまでも新鮮。状態もいいし、貴重なので。105円はお買ひ得だつたね。

2010-12-23

林成之「〈勝負脳〉の鍛え方」講談社現代新書(364)を続けて読んだ。この勝負脳といふ言葉に興味があつた。これで北島康介が金メダルを取つたといふ話を聞いたことがあるやうな気がする。「脳に悪い──」とほぼ同じやうな内容だが、こつちは第一章(P26)に書いてある「意識の二構成理論」=「外意識」と「内意識」についての本になる予定だつたといふ。これもまた後でゆつくり読み返さうか。蛇足ながら、P103-6行目「じつに当を得ていることがわかります。」は「的を射る、的を射ている」の誤りではないか。「まとをえている」→「当を得ている」でせうか。

2010-12-18

林成之「脳に悪い7つの習慣」幻冬舎新書(363)読了。タイトルに釣られて買つてしまつた。脳に悪い習慣とは①「興味がない」と物事を避ける②「嫌だ」「疲れた」と愚痴を言ふ③言はれたことをコツコツやる④常に効率を考へてゐる⑤やりたくないのに我慢してやる⑥スポーツや絵等の趣味がない⑦滅多に人を褒めない、の7つ。脳神経細胞が本能として持つものは「生きたい」「知りたい」「仲間になりたい」の3つだといふ。そこからいろいろな、脳神経外科医としての経験(これが非常に興味深い)を含めた例を引いて説明してゐる。要は脳に変なクセや習慣をつけるな、といふこと。本文中に「だいたいわかった」ではいけない、と書いてあつたから、もう一度読むことにしよう。

2010-11-29

荒川弘「鋼の錬金術師」ガンガンコミックス全27巻(336〜362・一部usedあり)読了。ほぼ予想通りにハッピーエンド。もう一度最初から読み返してコメントします。読み返しながら、少しづつ、日付入りで→

2010-11-26

中町信「夏油温泉殺人事件」ケイブンシャ文庫(335・used)を読了。「夏油」と書いて「げとう」と読む。岩手県北上市にある温泉。元はアイヌ語から来たといふ説あり(wikipedia)。氏家周一郎、早苗の夫婦探偵シリーズの中では面白いはうだ。得意の叙述トリックにまんまと騙される。ダイイング・メッセージの「あの人」の意外性よりも、発端となる転落事故で殺され人物について、なんの疑ひも持たずに読み進んでしまつたのが悔しいぞ。仲町作品は残すところ後6冊を残すのみ。かうなつたら、全部読むぞ。

2010-11-24

唐沢なをき「漫画家超残酷物語」小学館(334・used)読む。面白いところもある。けど、いつでも読み返せるやうに手元に置きたいといふほどではない。最後に触れてゐるが、「漫画家残酷物語」といふのが永島慎二に既にある。読んだやうな気もするが自信がない。永島慎二は好きな漫画家だつた。描く絵が好きな漫画家だつた。フーテンとか、さうだ、柔道一直線だ。いまもむかしも、あんまりメジャーでない人が好きだから、ほかには石川球太(狼王ロボ)とか、園田光慶(怪獣王子)とか真崎守とか。あと平仮名の苗字の人で、園田光慶みたいな絵を描く人がゐたんだけど、名前が出て来ない。──話が逸れたが、唐沢なをきの絵も好きなタイプの絵だ。ちよつと古い、むかし風の線とか、コマとかがある。意図的なのかな。中身は昭和の初めの私小説のやうな印象。私漫画ではないただらうが、印象が葛西善蔵とか破滅型の私小説みたいに暗い。のにギャグ漫画。滅茶苦茶な人物名と強引な展開。第1話を読んで、その続きで一冊になつてる思ひ込んで買つたのだが、違つた。それがちよつと残念。

2010-11-21

貴志祐介「青の炎」角川文庫(333・used)読了。倒叙もの。うまい人だ。スラスラと読める。しかし、どうだらう。主人公が身勝手に見えてしまふ。殺す理由がどうにもすんなり受け入れられない。曾根でさへ、ホントにほかに方法はなかつたのだらうか。後味がよくない。「黒い家」のはうが好きだな。

2010-11-15

斎藤美奈子「文壇アイドル論」文春文庫(332・used)を読んだ。読んだことがあるやうな気がしてゐたが、'08/12月に「文学的商品学」といふのを読んでゐた。80年代〜90年代にかけての文壇アイドル(村上春樹、俵万智、吉本ばなな、林真理子、上野千鶴子、立花隆、村上龍、田中康夫)について書いてある。「はじめに」で自身が言ふやうに「作家論論」ですね。取り上げてゐる作家で読んだことがあるのは村上春樹(羊をめぐる冒険)と立花隆(同時代を撃つ)だけだつた。つまりオレは80年代〜90年代──20代半ばから40代半ばまでにあたる──にかけてその時代を代表する作家を読まないで過ごしたといふことなのだらう。まあ、面白く読んだ。

2010-11-11

井上靖「風林火山」新潮文庫(331・used)を読了。抜群に面白い。山本勘助は実在したかどうか疑問があるさうだ。しかし、ここには山本勘助がいま正に目の前にゐる。信玄晴信も、由布姫も於琴姫も。謙信さへもその姿が目に浮かぶやうだ。川中島の合戦が始まつたところで、勘助の最後で物語は終はる。解説は吉田健一。

2010-10-31

佐野洋「燃えた指」徳間文庫(330・used)を読んだ。9篇収められた文庫オリジナル版。この文庫オリジナル版といふのは佐野洋には結構多い気がする。何冊か読んだ記憶がある。いづれにしても、これは気楽に読める軽いミステリ。高校生で作つた年寄りの話を聞く会で、毎回なにか謎が出て、それを解き明かす。いはゆるミステリ風の殺人などは出て来ない。言葉遣ひについても触れてゐる。

2010-10-25

荻原浩「神様からひと言」光文社文庫(329・used)を読む。サラリーマン小説なんだけど、会社の持つ矛盾に負けないで頑張らう、といふメッセージを持つコミックに近い展開。スラスラ読めるのに、止まつてしまひ、読み終へるのに日数が掛かつた。まあ、止まつてるあひだに他にも手を出してたから。お客様相談室での奮闘は笑へる。

2010-10-23

山田真哉「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」光文社新書(328・used)。5年くらゐまへにベストセラーになつた。当時は買ふ気にも読む気にもならなかつたが、105円で見た目もよければ読んでみるかと思ふ。ケチだね。さう、ケチなのは大事だといふ話。ではなく、会計についての本なのだが、プロローグP4で「会計は」「やさしく教えることが出来るような学問ではない」と書かれてゐて、ちよつと引つ掛かつた。会計つてのは実務、技術ではないのか。学問といふのはさあ、進化する、といふか進歩すると言ふか、真実を追究するといふか。会計学といふのか知らないが、実務だよなあ、どうみても。──それにしても数字に強い弱いはあるね。P185からは特に面白かつた。統計の誤摩化し、と言つちやあ悪いが、本質が見えなくなるのは確かだよ。特殊な統計の仕方とか。タバコがいい例だらうけど。いづれにしてもこれがベストセラー。これはまあまあ面白く読んだけど、バカの壁とか、国家の品格だか、遅ればせながら読んだけれども殆ど陸でもない話。ただの時間つぶし。ミステリーのはうがマシだな。驚きも意外性もない。

2010-10-22

林博史「頭のリズム・体のリズム」ごま書房GOMABOOKS(327・used)。サーカディアン・リズムを中心に人間の持つ複数のリズムについての話。1日単位であつたり、月単位だつたり、年単位だつたり。1日のうちでも昼と夜であつたり、そのリズムの内容によつて周期は様々だ。自律神経の働き、交感神経と副交感神経の役割や入れ替りの時間帯、睡眠についても面白かつた。特に染色体のテロミアについて。ここが寿命を司つてゐるといふ話。ほかにも、年を取ると時間が早く過ぎると感じるのはなぜか。サーカディアン・リズムは24時間よりも少し長い25時間周期だが、その周期が加齢によつて短くなつて行くせゐなんださうだ。なるほど。ここにあるのは実証科学的な報告であつて、現象から推理された法則を実験その他で証明できたもの、と言へる。つまり、今後の研究で、更に解明されたり、ひつくり返されたりするものもないとは言へない、といふこと。まだ始まつたばかり。でも興味深いね。

2010-10-10

吾妻ひでお「うつうつひでお日記DX」角川文庫(326・used)。文字が小さくて文庫では読みにくい。失踪日記が面白かつたので、買つた。内容は失踪日記で書かれた生活以降の日記。吾妻ひでおの絵は好きだねえ。ロリコン少女の絵のはうはどうでもよくて、いかにも漫画の丸つこいタッチなのに、意外に細かく書き込んであつたり、ちよつとしたものにもきちんと影がついてたりするところが好き。業田良家の自虐の詩褒めてる。でせう、つて気分。山本英夫のホムンクルス褒めてる。読んでみるかな。
一緒に買つた山本英夫「のぞき屋」小学館YSコミック(325・used)も続けて読んでしまつたので書いておかう。前篇、後篇に分かれてゐて、前篇はトラウマ克服篇。後篇ではのぞき屋商売を開始し、のぞき男を捕まへる話。絵はやつぱり斜め横顔の特徴はそのまま。このあと新のぞき屋でシリーズになつてる。読んでみるかなあ。
山本英夫「1(イチ)」小学館YSコミックス(324・used)を読んだ。山本英夫は「モムンクルス」といふのを書いてゐるんだよね。それがBookOffで眺めてると、たまに目に入る。ホムンクルスといふ言葉、名前は鋼の錬金術師に出て来る。なので気になつてた漫画家。1巻ものが2冊あつたので買つてみた。高校生の話で、ケンカもの。弱虫みたいに見えるヤツが実は強くて、最後には宿敵を倒すといふカンフー映画的に展開する。絵が不思議で、正面で見る顔と僅かに下から見上げるやうにして見る七三くらいの横顔(真横ぢやない)の目鼻口の配置が向いてる側に寄つてゐる感じになる。つまり向いてないはうに余白といふか、頰と顎が広くなる傾向がある。なので、正面顔の次のコマにそれが出て来ると一瞬誰の顔がわからないことが何度かあつた。面白かつたし、絵も上手いんだけど、さういふ癖といふか、意図的なのか、ある人。→なんと、この続篇なのか「殺し屋1」(殺し屋イチ)といふのがあつて、それはもう容赦なしのグロさ、だ。2010.10.20

2010-10-05

橋爪大三郎「はじめての構造主義」講談社現代新書(323・used)を読む。構造主義に関する本は2冊目。内容はよく判らないが、まあ、構造主義がなんであらうと、考へ方の問題なんだな、といふのが結論。遠近法の説明で、時間は兎も角、空間的に見えてゐるやうに書くための手法が遠近法。時間を持ち込んだらどうなるのか、それが未来派──セヴェリーニ、マルセル・デュシャンの「階段を降りる裸婦」もさうかな、それを空間的に再構築するとキュビズムでせうか。やつぱ表現としては絵画、美術運動が一番進んでる気がする。小説が最も遅れを取つてゐるね。

2010-09-29

神坂次郎の「サムライたちの小遣帳」新潮文庫(322・used)を読む。あまり期待はしてなかつたのだが、たくさんのエピソードが書かれてゐて、買つた日に読み始め、止められなくなつてしまつた。侮れない。さすが南方熊楠の伝記を書く人だ。ちやうど休みだつたので、昼過ぎからゆふがたまで読み耽り、あいにく雨だつたからあと4篇を残して、つまり80篇を一気に読んでしまつた。その殆どが日本の歴史にまつはるエピソード。面白い話は幾つもあるが、とりわけ気に入つたのは遊女秋篠の話(P185)。惚れた男の仇討ちで、あはや返り討ちかと思はれたそのとき、助太刀したのが男装の秋篠。思はず鳥肌が立つた。それともう一つ。林少尉の死(P271)。敗戦の翌日深夜、水戸航空通信師団の青年将校が徹底抗戦を叫んで蹶起するも、鎮圧され、林少尉は死ぬ。23歳。大宅壮一編「日本の一番長い日」とその映画を思ひ出した。宮城で拳銃を顳顬に当てて自決するのは黒沢年男だつた。切腹する阿南陸軍大将を演じたのは三船敏郎だつた。表裏原田甲斐(P266)も面白かつた。伊達騒動と原田甲斐について知りたい、読みたい。長く悪人扱ひされてゐた原田甲斐の再評価のきつかけを作つたのが「言海」「大言海の編纂者大槻文彦博士だといふのも興味深い。ときどき思ひ出してはペラペラと拾ひ読みするのに良い本。

2010-09-02

貫井徳郎「天使の屍」角川文庫(321・used)読了。正直言つて、作りすぎてゐる感じ。トリックが先にあつて、物語を押し込んだやうに見えた。14歳といふ設定は上手い。しかし、自殺の動機はやつぱり弱いだらう。メディアが無責任に流す少年の自殺といふものを、また虐めの状況をそのまま取り込んでゐるやうな気がする。それが現実の一部として実際に身近なことだとしても、一般化するのはどうだらう。

2010-08-30

娘に「読んでみる?」と勧められて「ねずみの騎士デスペローの物語」ケイト・ディカミロ/子安亜弥訳(320)を読んだ。図書館から借りた本なので、学校が始まつたら返すといふので日がない。きのふから読み始め、どうにか読み終へた。作者がときどき顔を出して読者に語りかける形式。読み始めたときは「建具職人の千太郎」のはうが面白かつたな、と娘に言つたものだが、やや尻細りではあるものの、どうしてなかなか。デスペローとは、母親が絶望despairの意味で付けた名前。この母親、デスペローが人間と接した罪を問はれ、地下牢へ連れて行かれるとき「さやうなら」と言ふ。P68で作者はあなたがお母さんから聞きたい言葉は「さやうなら」ではなく、「かはりに私を連れて行つて」ではないか、と問ふ。このお母さんの名はアントワネット、お姫さまはピー(と、やや素つ気ない)、デスペローと対決するドブネズミがキアロスキューロ(光と闇を組み合わせて表現することの意味で絵で使ふ言葉ださうだが、スペルがわからないので調べられない)、片耳のない年寄りのドブネズミがボッティチェリ!

2010-08-29

東野圭吾「予知夢」文春文庫(319・used)を毎日昼休みに一篇づつ、5日で読み終へた。まへに読んだ「探偵ガリレオ」の続篇。この後で「容疑者Xの献身」が書かれた。オカルト風の謎があり、湯川助教授が登場する。謎を解いて行くと単純に思はれた事件の様子がかはる。自殺が殺人に、またその逆にもなる。ミステリとしての面白さもある。

2010-08-19

ゆふべ岩崎京子「建具職人の千太郎」くもん出版(318)を一気に読んでしまつた。娘が小学校の課題図書で買つてもらつたものらしく、居間の隅においてあり、ずつと気になつてゐた。残業で遅かつたので、娘は床に就いてゐたが、その隙に、といふわけではないけれども、夕飯のオカズをツマミに晩酌をしてゐるあひだに読みをへた。小学生高学年向けで、活字も大きいし、行間もあるから、200頁の本だが、それほど長い話ではない。七歳で建具職人に奉公に出された千太郎(実在のモデルがあるといふ)とその姉おこうの物語。先づ、棟梁がいい。出戻りの若棟梁もいい。千太郎を指名して寺子屋の机を作らせる名主の藤右衛門もいい人だなあ。

2010-08-13

岩明均「骨の音」講談社モーニングKC(317・used)を読んだ。まへに同じ作者で「七夕の国」といふコミック4巻本を読んだことがある。いろんなタイプの漫画が書ける人だ。好きなのは「指輪の日」と「和田山」。最後のタイトル作「骨の音」は力が入つてるのだが、今ひとつ意味がわからなかつた。

2010-08-09

続けて池波正太郎「鬼平犯科帳(三)」文春文庫(316・used)を読む。(一)8篇、(二)7篇だつたが、これには6篇。なかでも4つ目の「兇剣」が長い。この巻には解説はなく、池波正太郎の「あとがきに代えて」が付く。どうしても長谷川平蔵を書きたかつたといふ。惚れ込んだ人物を実に楽しみながら書いてゐるのが伝はつて、そこがこのシリーズの魅力だ。

2010-08-03

池波正太郎「乳房」(315・used)を読む。これは鬼平犯科帳の番外篇で、長篇である。勘蔵といふ男を殺したお松と火付盗賊改方の長官になる長谷川平蔵を軸に十三年間に亘る物語だ。なかなか読み応へがあつた。一筋縄ではいかない善と悪の描き方が上手い。池波正太郎のシリーズものは他に剣客商売、仕掛人藤枝梅安もそれぞれ第一巻を読んでゐるが、やはり鬼平が一番好きだ。

2010-07-30

漸く、櫻井よしこ「「眞相箱」の呪縛を解く」小学館文庫(314)を読了。敗戦後、GHQが3年間にわたり日本人に対して行なつた情報操作ラジオ番組「眞相箱」をめぐるノンフィクション。軍事作戦についてのページが長いので手間取つてしまつた。アメリカが正しく、日本の帝国主義は悪だ、といふ「常識」は、実は洗脳されてゐたのだ。真珠湾攻撃もさう、南京大虐殺もさう。戦争を集結するために原爆投下は仕方なかつた、なんてことは大嘘だし、東条英機が戦争を始めたなんてことも出鱈目だつた。メディアの流す「常識」は一度疑つたはうがいい。P370当時、朝日新聞の編集局長だつた細川隆元(日曜の朝だつたかなあ、もう一人の爺さんと言ひたい放題だつたテレビ番組があつた気がする)は自著で、終戦の5日前に政府情報局総裁の声明で戦局は最悪の状態だと知りながら、新聞報道せず、徒らに戦意を煽る記事を書きつづけたといふ。かういふ連中がゐたんぢやあ、マスコミなんて信じられない。新聞は特に要注意。

2010-07-19

読み始めたらやめられなくて最後まで読んでしまつたのは、野口恵子「かなり気がかりな日本語」(×2)。05.12.23に読んでるが、まつたくコメントをしてゐないので、ちよつと書かう。最近の店員が言ふ「◯◯円から預かる」は一応取り上げてるが、それ以上は触れてない。そして「やまびこ挨拶」。著者が教へる大学の学生にも不評であるにもかかはらず、止める気配すらない。どういふ調査をしてゐるのか。恐らく、多少評判が悪くても、苦情になることは避けたいといふことなんだらう。返事もしない、なら先に言はせてしまへ、と。オレの行く某古書チェーンではよく聞く。P70「〜で」の誤用も面白い。「作家で歌手の、」なんて新聞には頻繁に出て来る。まあ、新聞なんていふメディアは全く信用ならない存在だが。それから敬意の表現の過剰。「始めさせていただきます」は確かに聞くが、オレは言へない。変だもの。来週と翌週の違ひも、なんとなく使ひ分けてゐるが、かういふ言葉の使ひ方はきつと学校で習つてゐるのだらう。或はまはりが、それはをかしいと教へてくれた、とか。今は誰もどこでも教へなくなつたから、大人のせゐだ、と著者は言ふ。「逆にある意味、基本的には」さうなんだらう。

2010-07-12

コミック続き。柳沢きみお「ふしだならフェイス」秋田書店ヤングチャンピオン・コミックス全5巻(309〜313・used)。ちよつとスケベなのが読みたいな、と思つて買つて読んだわけだが、それほど面白くなかつた。いとこ同士の杉男と真美とのラブコメディ、いやセックスコメディか。絵がいま一つ好みでない、といふのも理由かな。古く感じる。タイトルの意味もよくわからない。フェイスは顔?それともblind faithのfaithかな。

2010-07-03

古谷実「ヒミズ」講談社ヤンマガKC全4巻(305〜308・used)を読む。タイトルは実在する日本固有種のモグラの仲間。重苦しい内容で、しかも救ひのない結末。これだけ振幅の激しい少年の心は中学生であれば納得できるが、絵からはもう少し年齢が上に見える。或は今の中学生はそんなもんか。住田が見る幻覚が怖い。雑誌掲載時とラストが違ふらしい(wikipedia参照)。

2010-06-27

東野圭吾「容疑者Xの献身」文春文庫(304・used)。これは犯人の側から書いてゐるから倒叙推理に属するのか。このトリックは意外だつた。ただオレのモラルとしては石神の選択は許せない。ラストは別の形にはできないだらうか。大袈裟な感じがした。

2010-06-17

まへもつて説明すると、毎晩ではないけれども、寝るときに布団の中で本を読むことがある。主にコミックなんだけど、小説のこともある。一昨日、なににしようか選んでゐて、なんとなく中町信を読む気になつた。結局「田沢湖殺人事件」(×2)にしたが、特別な理由はない。きのふは時間を見て続きを読み進め、布団の中で読み終つた。が、終盤の記憶がはつきりしなかつたから、けふ昼休みに読み直した。このブログでも06.03.26付で書いてゐる。今回のはうが面白く読めた。やつぱりピンク電話は出来過ぎだけど、今度は堂上の視点で書かれた第二部「密室の過去/第六章浪風理太郎/3」。この時点で堂上がタンちやんは誰か疑問視するのは誤読を誘導してる。が、まあ、なかなかの作品だと思ふ。因みにけふは中町氏の一周忌であつた。

2010-06-15

(たぶん)久し振りに清水義範「日本語の乱れ」集英社文庫(303・used)を読む。タイトル作以外、あんまり面白くなかつた。中途半端な、小説と呼ぶしかないやうな形式の短篇集12。買つてすぐに読み始めたとすれば (よく覚えてないが)、読み終はるのにほぼ1箇月掛かつたことになる。まあ、「20世紀少年」やら、いろいろ読んでる合間にパラパラめくつてゐたのだつたから、そんなもんか。

2010-06-06

更に続けて中町信、しかも草津続きの「新特急「草津」の女」ケイブンシャノベルズ(302・used)。氏家シリーズなのに、ちよつと異質。なのは、ネタはバレてゐるんだけど、外から見た氏家、と言ふか。そこが意外に面白い。中町信にはドンデン返しがトラウマのやうにあるね。もつと人物説明や状況説明を詳しくすれば、何人も殺さなくても1冊分になると思ふ。

2010-06-04

続けて中町信。「草津・冬景色の女客」ケイブンシャ文庫(301・used)。けふ届いて、休みだつたから一気に読んだ。苦手な氏家シリーズだつたが、早苗の断定的な誘導推理もそれほど強引ではなかつた。面白いんだけど、やつぱり、どうしてこんなに人が殺されなくてはいけないんだらう、と思ふ。6人殺されちやふんだよ。もつと早く解決させてよ、と。

2010-06-03

中町信の「三幕の殺意」(×2)を読み返した。去年の6月17日に──だからもうすぐ一周忌である──亡くなつてゐたことを知り、追悼のつもりで読んだ。面白かつた。まへに読んだときも、いい印象だつたと思ふ。序でに、あんまり値上がりしてなくて、読んでないものを2冊みつけてamazonで買つてしまつた。

2010-05-28

池上遼一「近代日本文学名作選」小学館(300)を読む。Amazonで見つけて「ほしい、読みたい、見たい」と思ひ、しばらくカートに保管してたのを、やつぱりカートに保管してたMike OldfieldのThe Songs Of Distant Earthが聞きたくなつて、一緒に買つたのだ。どつちも単品では送料が掛かつてしまふので。レビューで誰かが書いてた気がするが、まさに「絵師」だね、池上遼一は。漫画とか、劇画とか、さういふ範疇で括るのは相応しくない。どれも見事だが、江戸川乱歩の「お勢登場」が特に素晴らしい。

2010-05-26

志ん朝一門「よってたかって古今亭志ん朝」文春文庫(299・used)を読んだ。志ん朝が息を引き取る2001年10月1日のところ。泣きさうになる。馬鹿だねえ、弟子でもないのに。ああ、志ん朝が聞きたい。愛宕山か大工調べがいい。噺が聞きたい。

2010-05-20

古谷実「わにとかげぎす」講談社ヤンマガKC全4巻(295〜298・used)。これも第4巻がなかなか手に入らなくて、「20世紀少年」以上にイライラした。だつて3巻まで読んでて、面白くて堪らず、ああ、最後はどうなるんだらう、といふ状態でのラスト第4巻だから。そもそも変な題名だなあ、と思つてパラパラめくり、その場で揃つてた3冊購入したワケだ。古谷実の名前は知らなかつたけど、「稲中卓球部」といふ漫画の題名は知つてた。取り敢へず読んでみるか、が大当たりだつた。絵も、線がいい。好きだなあ。非常によい。タイトルの意味は、熱帯~亜熱帯海域に広く分布する深海魚の名前であり、深海魚の中でもとくに自力で発光する機能をもつといふ。wikipediaで調べると、古谷は望月峯太郎のファンだと出てゐた。望月もいいが、古谷もいい。ほかのも読みたい。

2010-05-17

浦沢直樹の「20世紀少年」小学館ビッグコミックス全22巻、続けて「21世紀少年」上・下(271〜294・used)を読んだ。映画化の話を知るまへから、読んでみようかと思つてゐた。タイトルがT-Rexだし。105円で売つてるのしか買はなかつたから、集めるのに手間取つた。面白いんだけど、尻つぼみ。ともだちの凄さはなんだ?なぜ、そんなに力があるのか伝はらない。逆にそれほど、西暦をなくせるくらゐなら、国連軍になにができるのか。ともだちが誰か、といふ謎で引つぱるけれども、登場した頃は顔を隠してはゐない、読者に見せなかつただけだ。始まつてすぐ、ともだちのマークをケンヂが思ひ出せない理由がわからん。当時の仲間についても同じ。作りすぎ。引つ張りすぎ。半分くらゐに凝縮したら、もつとインパクトが強かつたのではないか。細かいところで気になる事がたくさんある。もう一度読み返さう。

2010-05-04

原作は工藤かずや。絵は池上遼一。「舞MAI」少年サンデーコミックス全6巻(265〜270・used)を読んだ。この2人の組みあはせは「信長」もさうだが、こつちは最終巻(8巻)が手に入らなくて始められない。全部揃つてると思つてレジで金額を聞いたら7冊しかないことに気がついた。同じ轍を踏まないやために「舞MAI」は全巻セットをAmazonで購入。昭和60年から61年に掛けて週刊少年サンデーに連載されたもの。実を言ふと、Sparksについてwikipediaで調べたことがあつて、その中でティム・バートン監督で、これを映画にしようとしてた時期があつた、といふ話を知り、興味をもつた。早速、Amazonで検索したら絶版。復刻した1サイズ小さい3冊本なら新刊で買へるのだが、最初に本になつた状態で読みたかつたので、中古全巻揃ひを敢て購入。ヤケは仕方ないが、目立つた汚れや折れ、書き込みもないので、状態はまあまあ良好。サイキック少女もの。世界を操る裏の組織と地球の重力の450倍といふエネルギーを持つ少女久住舞の戦ひ。面白かつた。池上遼一の絵はさすがに巧い。

2010-05-01

野坂昭如の「文壇」(264・used)を読む。久しぶりに読む野坂昭如の文章、やはり読みにくい。「エロ事師たち」は読んでる。「受胎旅行」も読んだ筈。もちろんスケベな興味で、高校時分だつたか。丸谷才一と親しかつたのは初耳。文壇裏話だが、恐るべき記憶力。なにより固有名詞が多い。雑誌名、編集者、作家、作品名、それらを省くと2/3くらゐになつてしまふのでは、と思ふ。最後は昭和45年、三島自決で幕を閉ぢる。三島批判の丸谷がその年の大晦日、「たった一人の反乱」を書き上げた話は象徴的。

2010-04-29

なんとなく望月峯太郎の「鮫肌男と桃尻女」を読み返した。ここ2年くらゐのあひだ、コミックを気まぐれに買ひすぎてる気がして、少し整理しようと思つて、金云々ではなく、場所を取る。から、読み返す気がないものは既にBookOff行き。先週、「座敷女」も読み返したら、面白かつたし、これは2007年の1月に読んでる。そのときは、あんまりなあ、だつた。手慣れた感じで、才能に寄りかかつてるやうで、ちよつとなあ、だつたのに、読み返したら、……面白い。たつた3年で、どうしてこんなに受け取りかたが違ふんだらう。絵はもともと好きなタイプの絵だし、これ、もしかしたら映画になつてるかな。若い監督が撮りたくなる感じの話だ。←1999年に映画になつてた(wikipedia検索)。

2010-04-26

赤川次郎「マリオネットの罠」文春文庫(263・used)を読んだ。第三章の途中まで、一気に読み進んだ。赤川次郎の文章は頭に入り易いので、まへの日どこまで読んだが考へる必要がない。第四章まで読み、やや期待はづれかと思ひきや、終章でのドンデン返しに吃驚。もう一度始めから、見落としがなかつたか読み返さねばなるまい。

2010-04-18

バトリシア・ハイスミス/青田勝訳「見知らぬ乗客」角川文庫(262)をどうにか読み終へた。ヒッチコックの映画とは勿論ちがふのだが、ブルーノーがミリアムを殺してからの展開が読んでゐて、よく意味が判らない。ガイとブルーノーの心の動きと行動、その説明が独特でなにを言つてるのかさつばり頭に入らない。ヒロインが入つてた短篇集はあんなに面白かつたのに、長篇は疲れる。

2010-04-14

苦戦してゐる。パトリシア・ハイスミスの「見知らぬ乗客」。赤川次郎の「人畜無害殺人事件」のまへから読み始めのに──いや、もしかしたら、もつとまへかも知れないが──途中で興味をなくして、未だに半分すぎたくらゐ。ほんとに読みにくい。修行のやうだ。短篇はすごく面白いのに、ハイスミスの長篇は疲れる。「リプリー」もさうだつた。

2010-04-11

スティーヴン・キング/深町眞理子訳「シャイニング」上下・文春文庫(260.261・used)を読み終へた。キューブリックの映画とは全然違ふといふ話は以前hiko8さんから聞いてゐたが、なるほど確かに違ふ。映画が気に入らなくて自ら脚本を書いたテレビシリーズ(全3回)といふのを見たことがあるんだけど、そつちのはうが近いのは当たり前だらうが、それでもずゐぶん省略してる。といふのも、原作はものすごく書き込まれてゐるからだ。クーンツもさうだけど、キングの場合は心理といふか、内面まで克明に書き込んでる。読みながら、トランスはまるでオレぢやないか、と思つた。軽井沢がもつと寒くて雪深く孤立してゐたら、どうなつてゐたことか。ダニーの不思議な能力のはうに注意が行つてしまふが、実は幽霊屋敷の話なんだね。
蛇足ながら、こんなホテル火災の原因を作つた家族、管理人に対して賠償責任とか、さういふ話はないんだらうか。その辺が心配、よけいなことなんだけど。(2010.04.13)

2010-03-28

ディーン・クーンツ/松本剛史訳「ミスター・マーダー」上下・文春文庫(258.259・used)。途中でやめられなくなる。例へば、ハリウッド映画のSFホラーのやうな世界。それは「ライトニング」にも「ストレンジャーズ」にも言へる。大掛かりで、非日常的な──映画の世界ではタイム・スリップも宇宙船もクローン人間もあたりまへだが小説では未だにSF的だと一段低く見られる傾向がある──仕掛けが隠され、反体制的な立場に立たされた主人公が多くの犠牲を払ひつつも辛くも逃げ切り、ラストはハッピー・エンド。武器や情報機器、科学や医学などの新しいデータ(こつちが知らないだけ)が溢れ、家具やインテリアの知識も豊富だし、描写も細かい、呆れるほどに。スティーヴン・キングと比べられることがあるやうだが、キングとは書き方が違ふ気がする。いま「シャイニング」を読み始めてゐるのだが、細かさの質が違ふやうに思ふ。クーンツはやや理屈つぽい感じ。

2010-03-11

赤川次郎「人畜無害殺人事件」(257・used)を読んだ。4篇の連作短篇集。これに出てくる大貫警部、井上刑事、向井直子の3人は、シリーズのやうだ。大貫の強烈さは、ちよつとフロストを思はせるが、フロストほど不眠不休の警部でないのが残念。犯人の意外性、話の運びの早さ、軽いと言へば言へるけど、善人ばかりではないし、それなりに面白く読めた。

2010-03-08

岩明均「七夕の国」全4巻・小学館(253〜256・used)を読む。なんとなく手にしてパラパラとめくつたら、面白さうで、ちやうど4冊並んでゐて、4冊目の裏表紙を返して見ると全4巻となつてゐたので買ふことにした。なかなか面白かつた。後半になると謎解きの部分が呑み込みにくく、一気に読み終へることはできなかつた。簡単に言へば伝奇もの、特殊な能力を持つた人たちの話だが、七夕の話やグレゴリオ暦や太陽暦の話、更には未知との遭遇、クーンツのストレンジャーズ風の展開もある。絵が几帳面で丁寧なところが好ましい。

2010-02-18

小説以外のもので、すぐに読めるもの。──で、高千穂遥「自転車で痩せた人」生活人新書=NHK出版(252・used)を読んだ。最近は走つても代謝が悪くて体脂肪が落ちにくい。なにかほかのことも始めようかと思つていたので目についたのだらう。でもまあ、そこそこに面白く読めたし、自転車もいいかな、と考へた。

2010-02-15

年に1回くらゐのペースで、けふから本格的に英語の勉強を始めるぞ、と意気込む時期があつて、さういふときに買つた本が幾つかあるのだが、これもそのひとつ。行方昭夫「英語の発想がよくわかる表現50」岩波ジュニア新書(251)。なぜこれを選んだのか。ジュニア向けならスラスラだらう、と考へた。それと、これを買ふまへに読んだモームの「サミング・アップ」の翻訳がこの人だつたので、どんなことを書いてるんだらう、といふ興味もあつた。エピソードは面白い。吉田健一の話も出てきたし、ベッカムやツィギーのコックニー訛りの話も。エッセイを読むやうな気分で読み進んでゐたら、最後の章(Ⅴさらに意欲のある人のために)の頭でいきなり、「さて、みなさん、Ⅳまでしっかり身につきましたか。50の例文は完全に覚えましたか。追加の例文も暗記はしていなくとも、完全に理解していますか。」だと。どのくらゐの日数を掛けて本を読む人たちを想定してゐるのか。新書なら大体200頁程度だから2日くらゐでせう。せめて3日。3日で、新書で、そこまで期待するのはどうだらう。受験参考書ぢやないんだし。その気がなければ、先へ行けない、そこで終はり、つてことですかい?かまはず進んで読了したけど。

2010-02-03

いまのところハズレが1冊もない、黒川博行の「切断」創元推理文庫(250・used)を読んだ。もとは新潮社から単行本、新潮文庫にも入つてゐたといふ。また解説によれば単行本と文庫の結末が違ふさうで引用してある。どつちを選ぶかは好みだらう。解決したと言つていいのかどうか。かういふ犯罪小説、暴力団がらみの世界よりも、黒マメコンビの警察小説がいいなあ。

2010-01-30

これもコミック。新田たつお「チェン爺」全3巻 小学館(247〜249・used)を読む。脳を交換するといふSF風の話。1巻だけ読んで、「静かなるドン」みたいに何十巻にもなるんぢやないかと思つて売るつもりでゐたのだが、全部で3巻だと知り、最後まで読んだ。なかなか面白い。最後のところでは、ちよつと感動してしまつた。

2010-01-25

そして遂にコナン・ドイル/延原謙訳の文庫版ホームズ全集(さう解説に書いてある)の最後の1冊「シャーロック・ホームズの叡智」新潮文庫(246)を読み終へた。これでもうホームズとはオサラバできる。まあ、こんな風にしてミステリは始まつたんだなあ、と、いい勉強になりました。すごく気が楽になつた。肩の荷が下りた感じだ。007とブラウン神父が全部揃つてるんだけど、……当分のあひだ放つておかう。

2010-01-24

コミックが続く。「新・ビッグ・マグナム黒岩先生」作・新田たつお/画・かどたひろし実業之日本社(245・used)。新だから、てつきりその続きを新田たつおが書いたと思ひ込み、買つてしまつた。が、実は違ふ人で原作だけだつた。よく見て買へば判つたのに。かどたひろし氏は知らないが、もう殆ど池上遼一。ドンの母親なんかは池上遼一的だから、勘違ひしたのかも。なかなか面白い。続きはなくて、これ一冊。

2010-01-22

一色まこと「花田少年史」全4巻 講談社(241〜244・used)を読む。題名だけは見たことがある。テレビでやつてたやうな気もする。Wikipediaによれば2002年に深夜枠(日本テレビでは火曜24:50〜)でアニメが放映されたと出てる。もつと長く続いて、何冊もあるのかと思つたがこれで全部だつた。面白かつた。何度でも読めさうだ。「め組の大吾」みたいに。絵もよい。なんで花田か。たぶん相撲の若貴時代だつたからなんだらうね。

2010-01-17

途中から、どうにもやめられなくなつてR・D・ウィングフィールド/芹澤恵訳の「フロスト気質」上下・創元推理文庫(239.240)を読んでしまつた。もう翻訳がないのに。まへの「夜のフロスト」が聖書かと思はせる厚さだつたが、さすがに今度は上下2冊。よけいなことだが、オレは上下巻、或は上中下でもいいが、1つの話が複数の巻に分かれてるのは好きぢやない。違ふ本みたいに思へてしまふのだ。ちよつとした疑問があつても別の巻になつてたら、すぐに確かめられない。まあ、そんな個人的な好みはどうでもいいが、今回も存分に楽しめた。

2010-01-04

元日からきのふまで酒井雄哉(大行満大阿闍梨)の「一日一生」(×2)朝日新書を少しづつゆつくり読み直した。新しい年の最初の本には相応しい。今年は読み掛けたままの本や、もう一度読んでみよう、読んでみたいと思ふ本を中心にし、新しいのは控え目に、を基本にする。
──再読の場合、3回以上のときに(滅多にないだらうけど)どういふ風に書けばいいだらう、と考へてゐて、「×2」「×3」といふのはどうか、と。なので、修正した。2010.01.15