2017-04-24

ゼロの焦点

松本清張・新潮文庫(×2)。続けて読んでみた。やつぱり内容は覚えてなかつた。購入は1978年5月9日、サカモト書店と書いてある。どこにあつた本屋だらう。裏表紙の紹介記事がネタばれで、2008年以降は訂正されたさうだ。疑問が幾つかあるので列記する。鵜原憲一と曽根益三郎とが同一人物だと判るところがはつきりしない。ネームを入れた上着をそれぞれ一着しか持たない営業がゐる?連載当時の昭和33年頃はそんなものだつたのかね。青酸カリの入手経路は?解説の平野謙も書いてるが、義兄宗太郎と本多を殺す理由が判らない。田沼久子も殺さなくてもいいのでは?鵜原憲一だつて殺さなくても良いのではないか。それだとミステリにならないけど。過去を知られたくないのは判る。でもそのことで強請られたわけでもないんだから。

2017-04-19

点と線

松本清張・新潮文庫(×2)。再読と言つても、もうずゐぶんまへに読んだので、奥付を見ると1978.5.6前橋西武と購入した日が鉛筆で書き込んである。買つて直ぐ読んだらうから、ほぼ40年前だ。細かいところは覚えてなかつた。トリックもちよつと勘違ひしてゐた。解説が平野謙で、電車のトリックについてコメントしてる。都筑道夫がエッセイで、バナナの皮に滑つて転び間に合はなかつたらどうするのか、と書いてたのは、もしかしたらこの「点と線」なのかなあ。四分間といふギリギリのトリックで、もしタクシーが遅れたら、お店の支払ひに手間取つたら、ホームで相手が気づいて振り向いたらどうするか、ちよつと無理があるよなあ。種明かしが手紙といふのは、やつぱり戴けない。

2017-04-12

687.薬のやめどき

長尾和宏・ブックマン社(吉岡町図書館)。新刊書のコーナーにあつて、パラパラとめくつてゐたら「抗がん剤のやめどき」といふのがあつて、借りて読んだ。「腫瘍マーカー(PSA)は下がらないが、できるところまで抗がん剤をやろうと主治医が言つたとき」がやめどきの一つにあつた。「できるところまでやろう」とは言はなかつたし、オレの気持ちを尊重してくれて休むことになつたが、腫瘍マーカーは下がらなかつたので、ちやうどやめどきだつたのだらう。基本、薬は減らせといふ話。5種類、或は6種類。種類が増えてしまふと副作用の原因が特定できないこともあるさうだ。因みに母は8種類の薬を飲んでゐる。染色体の末端部分テロメアが寿命を決めるといふ話が出て来て、どこかで読んだ気がするが、思ひ出せない。

2017-04-09

686.手袋を買いに

新美南吉・iBook。「にいみなんきち」だといふことは判つてゐるのに、つい「しんびなんきち」と読んでしまふ。29歳で亡くなつたさうだ。よく知つてる(つもりの)「ごん狐」とは違つて、狐が酷い目に遭はないところがよい。眩しくて目になにか刺さつた、といふのは巧いなあ。