2014-08-21

578.淀川長治映画ベスト10+α

淀川長治・河出文庫。ほぼ2箇月掛かつた、凡そ250頁の本なのに。結論から言へば、映画は見るもの、見て楽しむもので、評論なんか読んでもしやうがねえや、だらうか。独特の言ひまはしに躓いて、何度も本を閉ぢてしまつた。映画を知つてゐる監督だ、とか、完璧な映画だ、とか、その根拠が、そのワケが示されてゐないので、ご高説を賜る式に読むしかなかつたことも時間が掛かつた理由だらう。巻末に蓮實重彦との対談があつて、これも楽屋話のやうで、知らない人間には面白くないところもあつたが、淀川さんはホントに映画が好きな人だつたんだなあ。

2014-08-07

577.事件の年輪

佐野洋・文春文庫。10篇の短篇が収められてゐる。やはり佐野洋は外れがないので安心して読める。凝つたアリバイ・トリックもないし、連続殺人もないけれども、ミステリの面白さは充分に味はふことができる。去年の4月に亡くなつてしまつた。残念。