2014-01-26

565.夏の稲妻

キース・ピータースン/芹澤恵訳・創元推理文庫(used)。ウェルズ・シリーズの3作目。このシリーズはいまのところ全部で4作しか書かれてないが、すべての題名が原題とは違ふのだ。これはThe Rainといふ。アメリカ探偵作家クラブ賞受賞と表紙に書いてある。上院選立候補者の醜聞にかかはる殺人に巻き込まれる。ランシングに結婚話が持ち上がつて、一体どうなるのか本筋とは別のところで気を揉んだ。前作で隙間ができてしまつたチャンドラーとは本当に終つてしまつたのか。ブラック・ダリアみたいなところがあるね。女優に憧れ、犯罪に巻き込まれる若い娘。対するウェルズの姿勢がいい。P189「ど真ん中」、どうしたんですか、芹澤さん。

2014-01-19

564.切り裂き魔の森

マーガレット・トレーシー/中野圭二訳・角川文庫(used)。ヤケはあるが状態はかなり良い。原題はMrs. Whiteで、全然違ふ。中身はさうだけど、これぢやあ、なんだかサスペンス映画のタイトルみたいだろ。犯人は最初に解る。要するに、さうとは知らない犯人の家族の物語で、原題通り奥さんのミセス・ホワイトが語る。家主のジョナサンがいいね。キース・ピータースンの別名義で、これ一作のもの。

2014-01-12

563.幻の終わり

キース・ピータースン/芹澤恵訳・創元推理文庫(used)。ジョン・ウェルズのシリーズ第2作。原題There Fell a Shadow。年末から読み始めたのだが、1/3くらゐ読んだところで何となく進めなくなり年を越してしまつた。前作に比べて、ウェルズの娘のことやチャンドラー・バークについて説明が足りないかもしれない、と余計な心配をした。今回はだいぶ痛い目にあふのだが、やはりハードボイルドはタフだね。アクションが派手なので、映画にしたら面白いだらうと思つた。