2017-02-16

685.がん治療革命「副作用のない抗癌剤」の誕生

奥野修司・吉岡町図書館。黒川氏の本を返しに行つて偶然見つけた。新刊本のところだつたか、返却されたばかりの本が置かれたところだつたか忘れたが、タイトルがパッと目に飛び込んで来た。副作用がない、つまり髪が抜けることもなく、白血球数の減少と促進薬での苦痛もない薬があるといふ。
P-THPといふ薬剤である。P=ポリマー、THP=ピラルビシン。ピラルビシンといふ古いタイプの抗癌剤に高分子のポリマーをくつ付けることで、通常細胞ではなく癌細胞などの腫瘍組織に蓄積されて効果を上げる、腫瘍そのものを狙ひ撃ちにする薬剤だといふ。しかも前立腺癌に効果があるといふ。完治ではないが、寛解する(見かけ上、消滅してゐる状態)といふ、夢のやうな薬だ。開発したのは崇城大学の前田浩教授。
いまのところ前田教授の研究室で作られてゐるだけなので、当然、製薬会社も絡んでゐないし、保険適用もないし、一体どのくらゐの治療費がかかるのか不明で、どこでこの治療を受けられるかも解らない。ネットで調べても直接、研究室に問合せするしかないらしい。
いまオレは抗癌剤治療をやめてゐるが、これからどうするか考へてゐたところなので、この薬についてもつと知りたいと思ひ、返却日が来たけど、もう一度借りて来た。買へばいいんたげどさ。この薬は抗癌剤の治療を続けて来た人には癌のはうに耐性ができてしまふさうで効果が出にくいといふ。

2017-02-01

684.破門

黒川博行・角川書店(吉岡町図書館)。ちやうどいま、劇場公開されてゐる映画の原作。疫病神シリーズだ。桑原は破門されるのか。映画製作にからんだ詐欺事件を追ふ桑原と二宮。ジェイソンばりの不死身さを持つ桑原だが、さすがに上部組織とのイザコザには無敵ではない。「後妻業」の記憶もあつて、これに出て来る探偵と四課の中川とがダブつてしまつた。