2007-02-09

69.超能力の世界

宮城音弥・岩波新書(used)
もとは「神秘の世界」で、これは改訂版だといふ。それでも兎に角、古い。使はれてる写真も輪郭のはつきりしないものだし、取り上げてゐる事例も20世紀初頭のものばかり。科学的に検証する云々といふところが、hiko7 newsとかぶつてるのは偶然。勿論、意味のある偶然の一致だ。それなりに面白く読んだが、新書つてのは、なんか食ひ足りないね。

2007-02-05

68.感じない男

森岡正博・ちくま新書(used)
これには困つた。香山リカに続いてハヅレだ。なにが言ひたいんだらう。男の不感症についてだ、といふことは始めに書いてある。しかし、ここに出て来る仮説はオレには牽強付会、我田引水にしか見えない。筆者は大学教授ださうだが、かういふ人がものを教へる時代なんだと思ふと怖いね。(自らの思春期の告白を読む限り)精神的にキズを持つてるやうだし、キズがあつてはイカンとは言はないが、その癒え方が微妙に捩じれてゐるのではないか。心の中を、と言ふか頭の中を探つて行けばどうにでも解釈出来る無意識部分の説明は強引だし、如何にも紋切り型で単純な推理だよ。さうでないものは受け入れられない屁理屈だ。その都度否定する偏見と性犯罪傾向は、レトリックなのか知らないが、氏自身は自覚してゐないだけで、犯罪資質は充分に備へてゐると思ふし、偏見もずゐぶん持つてるやうに感じる。