2018-01-31

酒井阿闍梨の「一日一生」がカウントされてないといふ話

いま読んでる本(最後まで読めるかどうか不安なので敢へてタイトルは記さない)を以前にも読んでるんぢやないか、と思ひ、遡つて古い記事を検索した。と、酒井阿闍梨の「一日一生」を読んだのは、No.の後に本のタイトルを入れないで、いきなり本文に入るパターンだつた頃だつたが、そのまへの記事が「176.ループ」(2008.12.28)なのに、「一日一生」の記事(2009.01.03)は後ろに(158)と記されてゐて、順番がをかしい、と気づいたワケだ。
では、158は何かと調べると「158.天童駒殺人事件」(2008.10.10)で、番号が重複してゐる。なので、「一日一生」のはうは番号を削除した。
それ以前に読んてゐて、番号を付けてないとは思へない。手元にこの本はなく、自宅に帰らないと確かめようがないが、本の後ろに書いてある日付が2008年の大晦日であれば、間違ひなく抜けてしまつたのだ。
が、十年もまへのことだし、途中で割り込ませるのも何だし、一冊くらゐいいんぢやね、といふ気もする。ただ、一応さういふことです。たぶん、上下巻ものとか、巻数の多いものを一冊づつにカウントし直したときに見逃したんだらうね。他にもあるかも知れないし、察数の多いものは計算間違ひなんかもあるんぢやないか。ま、ただの覚書だから、適当に。

2018-01-30

738.私が出あった世にも不思議な出来事

鳩山幸・池田明子/Gakken(吉岡町図書館ブックリサイクル)。学研の「ムー」といふ雑誌に隔月連載された24人へのインタビュー記事を纏めたもの。聞き手の鳩山幸は鳩山由紀夫の、池田明子は梅沢富美男の夫人。相手は佐藤愛子に始まり、久司道夫(本書は2008年発行で、氏は2014年に死去。マクロビオテックといふ食事療法の提唱者で、忌野清志郎や坂本龍一がその実践者)、湯川れい子、寺山心一翁など。心霊体験、神秘体験やUFO目撃譚が殆どで、それは「ムー」つていふ雑誌がさういふ雑誌だからね。語り手が芸能人や文化人と呼ばれる人になつただけで、内容は、ほぼ予想がつく程度の「世にも不思議な出来事」だつた。途中で一度退屈の余り捨ててしまはうかとも思つたけど、偶然目に留まり、手にしたものなのだから因縁があるものだらう、と思ひ直して最後まで読んだ。

2018-01-21

737.凶刃 用心棒日月抄

藤沢周平・新潮文庫。P55、再会のとき「十六年も音信もなくほうっておかれたからと、寝首を掻くようなことはいたしませぬ」と佐知は言ふ。ほかにもある。言つてから頬を染めたりするところが堪らなく、いい。拾つてみよう。P69、「出来れば、わたくしがお食事をつくってさしあげられるといいのですけれども」P328、「今日は思いがけなく、小半日もご一緒出来てたのしゅうございました。こんなことはもう出来ないものと思っておりましたから」。嗅足組を解散したあとで尼になるといふ佐知は、数年の修行を終へたら国元の明善院の安寿になることが決まつてゐると言ふ。果報者よのう、青江又八郎は。

2018-01-19

736.刺客 用心棒日月抄

藤沢周平・新潮文庫。続きが読みたくて堪らない。中毒。半分は佐知のことを読みたい。解説の常盤新平が書いてるが、まさに佐知のことが読みたくて用心棒シリーズを読んでゐる。だから度重なる脱藩も多少は不自然だと感じても又八郎が江戸に出なければ佐知が登場しないんだからやむを得ない。P348、佐知は「私を、青江さまの江戸の妻にしてくださいまし」と言ふ。いいなあ、佐知は。続くシリーズ最終作「凶刃」は長篇で、しかも十六年後の話ださうだ。買つて読まねばならない。

2018-01-17

735.つらくないがん治療

柳澤厚生・株式会社B.G.。副題「高濃度ビタミンC点滴療法」。前橋のクリニックで高濃度ビタミンC点滴を受けることになつた。その初日の診察後、院長から渡されたもの。治療内容は事前に調べたものと余り変はりはない。いまはこの治療に掛けるしかない、いい結果が出ることを期待して。

2018-01-16

734.じみへん仕舞

中崎タツヤ・小学館。単行本でしかもサイズが大きい。そして540頁もある。904回から始まり最終は1171回。といふことは引き算して267回分。中崎タツヤは還暦を機に断筆したさうだが、氏とは学年が一緒なので、なにかと気になる人だ。「もたない男」つてのも読んだし、まあ、さういふことだ。

2018-01-08

733.弧剣 用心棒日月抄

藤沢周平・新潮文庫。まへの「用心棒日月抄」もこれも四ツ角の正林堂で買つた。店内をよく見ると結構本が揃つてゐて、TSUTAYAより多いかもしれない。そんなことはどうでもいいが、やはり佐知はいいなあ。人物にかう、思ひ入れといふか、肩入れしてしまふのは、藤沢周平の書き方が上手いからだらう。又八郎は勿論、口入れ屋の吉蔵も細谷源田夫も米坂八内もいい。一作目の「夜鷹斬り」のおさきも好かつた。しかし、佐知には適はないね。P452の場面、ここは実にいい。なので、次の「刺客」も買つてしまつた。