2017-11-25

729.「坊っちゃん」の時代

関川夏央、谷口ジロー・双葉社(吉岡町図書館)。これは漫画で、1998年の第2回手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞してゐる。因みに第1回は「ドラえもん」。「坊つちやん」が書かれた明治38年〜39年を中心に漱石をめぐる話で、元にしてゐるのは太田西涯著「明治蹇蹇匪躬録」だと最初に書いてあるが、著者の太田西涯は作中人物で「坊つちやん」のモデルになつたといふ架空の人物、太田仲三郎。なので「明治蹇蹇匪躬録」そのものも架空のものであるやうだ(wikipedia)。鷗外や樋口一葉、啄木、藤村、平塚雷鳥なども登場する。漱石の月収と石川啄木の月収の差に驚いた。漱石の年齢は明治の年号と同じなので明治38年、38歳の漱石の月棒は150円くらゐ(帝大講師として年棒800円、一高講師として年棒700円、明大講師で月棒30円)。大工の一日の手間が1円だと書いてあるから、大工は月30日丸々働いても30円。一方、明治39年、20歳の石川啄木は渋民村尋常小学校の代用教員になり、月棒8円。啄木は19歳で結婚してゐるから、これぢやあ暮らせないよなあ。

2017-11-06

728.癒しのホメオパシー

渡辺順二・地湧社。リサイクル図書。アンドルー・ワイルの本でも取り上げられてゐるホメオパシーについて興味があつて、別の入門書のやうなものは借りて読んだが、どうもしつくりしなかつたことは既に他のところで書いたし、この本のことにも触れたかもしれない。
いま調べたら、hiko7 newsの今年の8月10日の記事に、読み終りさうもないので、と書いてあつたが、どうにか読了。一縷の望みとしてホメオパシーを記憶しよう。

2017-11-03

727.前立腺がんを生きる

NPO法人健康と病いの語りデイペックス・ジャパン編著・海鳴社。インターネット上でサイトを閲覧したこともある、前立腺癌体験者48人へのインタビューを纏めた本。9月に購入し、少しづつ読んできた。半分くらゐ読んで、自分と照らして先行きの不安からページが進まないこともあつたし、身につまされて目が潤んでしまひ本を閉じたこともあつた。強くならねば。信じなければ。