2013-08-29
544.浪速少年探偵団
東野圭吾・文春文庫。続けて娘の本を借りて読んだ。第一話の「しのぶセンセの推理」はデビューした翌年に書かれたものださうだ(次の「しのぶセンセにサヨナラ」のあとがきにある)。小学校六年の担任をもつ竹内しのぶセンセが事件解決に活躍する連作5篇収録の短篇集。ほかには大阪府警捜査一課の漆崎と後輩の若い新藤刑事、生徒の田中鉄平、原田郁夫、第三話でしのぶがお見合ひをした本間義彦が主な登場人物。会話はすべて関西弁、大阪弁である。会話が抜群に面白い。
2013-08-22
543.聖女の救済
東野圭吾・文春文庫。仕事から帰つたら、娘からのメモと一緒にこの本が机の上にあつた。面白いから読んでみて、といふ。確かに面白かつた。ガリレオのシリーズで、トリックを物理学者の湯川学が解くといふパターン。P384の終りのはうで内海薫がiPodで福山雅治の曲を聞く場面が出てくるが、読者サービスなんでせうか。2日がかりで一気に読んでしまつたのだが、これよりちよつとまへに読み始めたスタインベックの「ハツカネズミと人間」は148頁しかないのに「1」が終つたP26から先へ行けないのに、これは解説も付いてなくて424頁もあるといふのに、だ。
2013-08-12
542.日本語の古典
山口仲美・岩波新書(used)。amazonで購入。古本だけど状態はよかつた。日本の古典30作品を「日本語から見た古典」(プロローグより)として紹介してゐる。そこそこに面白く読めた。竹取物語のかぐや姫が実は月の世界で罪を犯し人間界へ送られて来たといふ話は高校の授業で習つたやうな気がする。特に読んでみたいとおもつたのは、枕草子と方丈記、徒然草、そして雨月物語。雨月物語は後藤明生の現代語訳を手に入れたので、いづれ読むつもり。P100の終りから3行目、中程に「なんと的のど真ん中に」とある。筆者は静岡の生まれと奥附に書かれてゐて、文学博士であり、現在明治大学国際日本語学部の教授ださうだが、「ど真ん中」はないでせう。(因みに浅草生まれの久保田万太郎の小説に「道のど真ん中」とあるさうだが、それで「ど真ん中」が東京言葉といふことの証左にはならないでせう。その頃から既に東京でも使ふ人がゐたといふことだらうね。)
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