2010-05-28

池上遼一「近代日本文学名作選」小学館(300)を読む。Amazonで見つけて「ほしい、読みたい、見たい」と思ひ、しばらくカートに保管してたのを、やつぱりカートに保管してたMike OldfieldのThe Songs Of Distant Earthが聞きたくなつて、一緒に買つたのだ。どつちも単品では送料が掛かつてしまふので。レビューで誰かが書いてた気がするが、まさに「絵師」だね、池上遼一は。漫画とか、劇画とか、さういふ範疇で括るのは相応しくない。どれも見事だが、江戸川乱歩の「お勢登場」が特に素晴らしい。

2010-05-26

志ん朝一門「よってたかって古今亭志ん朝」文春文庫(299・used)を読んだ。志ん朝が息を引き取る2001年10月1日のところ。泣きさうになる。馬鹿だねえ、弟子でもないのに。ああ、志ん朝が聞きたい。愛宕山か大工調べがいい。噺が聞きたい。

2010-05-20

古谷実「わにとかげぎす」講談社ヤンマガKC全4巻(295〜298・used)。これも第4巻がなかなか手に入らなくて、「20世紀少年」以上にイライラした。だつて3巻まで読んでて、面白くて堪らず、ああ、最後はどうなるんだらう、といふ状態でのラスト第4巻だから。そもそも変な題名だなあ、と思つてパラパラめくり、その場で揃つてた3冊購入したワケだ。古谷実の名前は知らなかつたけど、「稲中卓球部」といふ漫画の題名は知つてた。取り敢へず読んでみるか、が大当たりだつた。絵も、線がいい。好きだなあ。非常によい。タイトルの意味は、熱帯~亜熱帯海域に広く分布する深海魚の名前であり、深海魚の中でもとくに自力で発光する機能をもつといふ。wikipediaで調べると、古谷は望月峯太郎のファンだと出てゐた。望月もいいが、古谷もいい。ほかのも読みたい。

2010-05-17

浦沢直樹の「20世紀少年」小学館ビッグコミックス全22巻、続けて「21世紀少年」上・下(271〜294・used)を読んだ。映画化の話を知るまへから、読んでみようかと思つてゐた。タイトルがT-Rexだし。105円で売つてるのしか買はなかつたから、集めるのに手間取つた。面白いんだけど、尻つぼみ。ともだちの凄さはなんだ?なぜ、そんなに力があるのか伝はらない。逆にそれほど、西暦をなくせるくらゐなら、国連軍になにができるのか。ともだちが誰か、といふ謎で引つぱるけれども、登場した頃は顔を隠してはゐない、読者に見せなかつただけだ。始まつてすぐ、ともだちのマークをケンヂが思ひ出せない理由がわからん。当時の仲間についても同じ。作りすぎ。引つ張りすぎ。半分くらゐに凝縮したら、もつとインパクトが強かつたのではないか。細かいところで気になる事がたくさんある。もう一度読み返さう。

2010-05-04

原作は工藤かずや。絵は池上遼一。「舞MAI」少年サンデーコミックス全6巻(265〜270・used)を読んだ。この2人の組みあはせは「信長」もさうだが、こつちは最終巻(8巻)が手に入らなくて始められない。全部揃つてると思つてレジで金額を聞いたら7冊しかないことに気がついた。同じ轍を踏まないやために「舞MAI」は全巻セットをAmazonで購入。昭和60年から61年に掛けて週刊少年サンデーに連載されたもの。実を言ふと、Sparksについてwikipediaで調べたことがあつて、その中でティム・バートン監督で、これを映画にしようとしてた時期があつた、といふ話を知り、興味をもつた。早速、Amazonで検索したら絶版。復刻した1サイズ小さい3冊本なら新刊で買へるのだが、最初に本になつた状態で読みたかつたので、中古全巻揃ひを敢て購入。ヤケは仕方ないが、目立つた汚れや折れ、書き込みもないので、状態はまあまあ良好。サイキック少女もの。世界を操る裏の組織と地球の重力の450倍といふエネルギーを持つ少女久住舞の戦ひ。面白かつた。池上遼一の絵はさすがに巧い。

2010-05-01

野坂昭如の「文壇」(264・used)を読む。久しぶりに読む野坂昭如の文章、やはり読みにくい。「エロ事師たち」は読んでる。「受胎旅行」も読んだ筈。もちろんスケベな興味で、高校時分だつたか。丸谷才一と親しかつたのは初耳。文壇裏話だが、恐るべき記憶力。なにより固有名詞が多い。雑誌名、編集者、作家、作品名、それらを省くと2/3くらゐになつてしまふのでは、と思ふ。最後は昭和45年、三島自決で幕を閉ぢる。三島批判の丸谷がその年の大晦日、「たった一人の反乱」を書き上げた話は象徴的。