2010-07-30

漸く、櫻井よしこ「「眞相箱」の呪縛を解く」小学館文庫(314)を読了。敗戦後、GHQが3年間にわたり日本人に対して行なつた情報操作ラジオ番組「眞相箱」をめぐるノンフィクション。軍事作戦についてのページが長いので手間取つてしまつた。アメリカが正しく、日本の帝国主義は悪だ、といふ「常識」は、実は洗脳されてゐたのだ。真珠湾攻撃もさう、南京大虐殺もさう。戦争を集結するために原爆投下は仕方なかつた、なんてことは大嘘だし、東条英機が戦争を始めたなんてことも出鱈目だつた。メディアの流す「常識」は一度疑つたはうがいい。P370当時、朝日新聞の編集局長だつた細川隆元(日曜の朝だつたかなあ、もう一人の爺さんと言ひたい放題だつたテレビ番組があつた気がする)は自著で、終戦の5日前に政府情報局総裁の声明で戦局は最悪の状態だと知りながら、新聞報道せず、徒らに戦意を煽る記事を書きつづけたといふ。かういふ連中がゐたんぢやあ、マスコミなんて信じられない。新聞は特に要注意。

2010-07-19

読み始めたらやめられなくて最後まで読んでしまつたのは、野口恵子「かなり気がかりな日本語」(×2)。05.12.23に読んでるが、まつたくコメントをしてゐないので、ちよつと書かう。最近の店員が言ふ「◯◯円から預かる」は一応取り上げてるが、それ以上は触れてない。そして「やまびこ挨拶」。著者が教へる大学の学生にも不評であるにもかかはらず、止める気配すらない。どういふ調査をしてゐるのか。恐らく、多少評判が悪くても、苦情になることは避けたいといふことなんだらう。返事もしない、なら先に言はせてしまへ、と。オレの行く某古書チェーンではよく聞く。P70「〜で」の誤用も面白い。「作家で歌手の、」なんて新聞には頻繁に出て来る。まあ、新聞なんていふメディアは全く信用ならない存在だが。それから敬意の表現の過剰。「始めさせていただきます」は確かに聞くが、オレは言へない。変だもの。来週と翌週の違ひも、なんとなく使ひ分けてゐるが、かういふ言葉の使ひ方はきつと学校で習つてゐるのだらう。或はまはりが、それはをかしいと教へてくれた、とか。今は誰もどこでも教へなくなつたから、大人のせゐだ、と著者は言ふ。「逆にある意味、基本的には」さうなんだらう。

2010-07-12

コミック続き。柳沢きみお「ふしだならフェイス」秋田書店ヤングチャンピオン・コミックス全5巻(309〜313・used)。ちよつとスケベなのが読みたいな、と思つて買つて読んだわけだが、それほど面白くなかつた。いとこ同士の杉男と真美とのラブコメディ、いやセックスコメディか。絵がいま一つ好みでない、といふのも理由かな。古く感じる。タイトルの意味もよくわからない。フェイスは顔?それともblind faithのfaithかな。

2010-07-03

古谷実「ヒミズ」講談社ヤンマガKC全4巻(305〜308・used)を読む。タイトルは実在する日本固有種のモグラの仲間。重苦しい内容で、しかも救ひのない結末。これだけ振幅の激しい少年の心は中学生であれば納得できるが、絵からはもう少し年齢が上に見える。或は今の中学生はそんなもんか。住田が見る幻覚が怖い。雑誌掲載時とラストが違ふらしい(wikipedia参照)。