2011-06-27

坂口安吾「信長」宝島社文庫(399)。一気に読んだ。読み始めるまでは、なんか気乗りしなくて、何度も棚から出してはペラペラめくるけど、読まうといふ気になれない、さういふ日が続いた。なんで信長か、と言ふと、娘が織田信長が好きだ、と言つた、その一言で、信長調べてみるか、とamazonで関係の本を物色するも、意外に少ないんだね。数は多い。どつちなんだと言はれるかも知れないが、歴史上の人物として書いてるものは多いけど、読み物的な、小説などは意外に少ない。なんで、さういふ探し方をしたか、と言ふと娘にも読ませたいと思つたからで、結局面白さうなのは坂口安吾かなあ、に落ち着いたといふワケだ。ほかには司馬遼太郎もなんとかいふ題の小説で斎藤道三と織田信長を書いてるけど、なるべく司馬遼太郎は読みたくないんで(まだ一冊も読んだことない!それが自慢、何に対する自慢かは本人にも不明、山本周五郎も一冊も読んだことないぞ!)。あと辻邦生の「安土往還記」つてのもあつたけど、中学生向きではないな、と思つたのでした。
で、この「信長」は桶狭間までしか扱つてないのが物足りないけれども、実に嬉しい人物として書かれてゐる。斎藤道三もいしし、濃姫もいいねえ。「マムシ敗れたり」のP231の終りから6行目からの5行は感動的。細かい城の位置だの地名だの人名、年号などは覚えてないが、面白い。安吾つて48歳で死んだんだつてねえ。知らなかつた。信長も。

2011-06-16

西村京太郎「青い国から来た殺人者」光文社文庫(398・used)。どうなんだらう、この本が出た当時、フェアーぢやない、といふ意見はなかつたのか。文庫で240頁。犯人らしい人物に繋がる手がかりが判るのが150頁を過ぎたところだ。それと犯人を特定してから、逮捕までが都合良すぎないか。

2011-06-12

東海林さだお「もっとコロッケな日本語を」文春文庫(397・used)。安心して読める、いつもの東海林さだお。くどい気がしてちよつと遠ざかつてゐた。相変はらずイラストが見事だ。

2011-06-02

立川談四楼「声に出して笑える日本語」光文社知恵の森文庫(396・used)。柳亭こみちの小咄に「ねえねえ、お嬢ちやん、お父さん、ゐる?」「いらない」といふのがあつて、始めて聞いたときに大爆笑したものだつたが、この本にも落語の枕で使へさうな話が出てくる。先立つ不孝は、先立つ不幸と書いたことがあるかも知れない。名誉挽回は間違へたことはなくても、汚名返上を汚名挽回と言つたことはあるなあ。笑へただけでなく、為にもなりました。