2016-08-24

657〜676.日本一の男の魂 1〜19

喜国雅彦・小学館(used)。1巻を買つて読んだのは、七、八年まへぢやないだらうか。十年はたつてないと思ふが、ずつと手に入らなかつた18巻を漸く購入し読んだ。相変はらずの下ネタ。スパイのシリーズとか、くだらなくて笑へるものばかり。ルーズ・ソックスの女子高生といふ、時代を感じるねえ。

2016-08-07

656.いなか、の、じけん

夢野久作・Kindle。Kindleだけど実は青空文庫なので、もともと無料なのでせう。もしかしたら、hiko8さんは本を持つてるかもしれない。なにを読んだのか忘れたが、夢野久作は読んだことがある。あの、独特の饒舌体で書かれたものではないが、カタカナが意外なところで使はれてゐて、やつぱり夢野久作だなあ、と思つた。最後に「備考」があつて、実際に新聞記事になつてゐたものを書いたことになつてゐるが、どうなんだらう。短い奇妙な話を幾つか集めたもの。大正時代を感じるんだけど、的外れかも。推理小説が探偵小説と呼ばれてゐた時代、江戸川乱歩の時代、かな。

2016-08-06

ジガ蜂

島木健作。漸く読みをへた。3篇収録されてゐる短篇の中でも一番短いものである。ジガ蜂の細かい観察に驚く。また実にこの蜂が美しく見える。「黒猫」「赤蛙」「ジガ蜂」の3篇は後ろの年譜で見ると昭和19年、短篇集の補充のために書き下ろしたものと書いてある。ほかに「蒲団」「むかで」があるやうだ。みなさんご存知とは思ふが、島木健作はペンネームで、本名は朝倉菊雄といふ。島木健作は翌20年8月17日42歳で没してゐる。ずつと肺結核だつたやうで、農民運動に加はり投獄、転向、入退院。敗戦の報を受け、「これからやり直しだ」と語り、死んで行つたといふ。ちよつと自分を重ねてしまふ。
織田作之助の「木の都」の読み返しは後でいいや。