2012-01-29

睦月影郎「杜をぬけると」宝島社文庫(432・used)いはゆる官能小説。アポリネールの「若きドン・ジュアンの冒険」(題名が違ふ?)とか「ファニー・ヒル」(吉田健一訳)とか読んでるので、かういふ小説ははじめてではないが、日本のものでは初めてかな。祠を抜けたら400年まへの江戸初期で、といふSF的な展開の官能小説。面白かつたけど、性行為の描写のところ、コピー&ペーストで枚数稼げるんぢやないかと思はせる部分が幾つかありました。もつといろんな人が書いてゐるので読んでみたいと思つた。因みに、なんで睦月影郎かと言ふと、偶然wikipediaで知つたのだが、生年月日が同じなので機会があつたら読んでみたい、と。で、これも偶然BookOffで見つけたもので。

2012-01-27

佐藤雅彦「毎月新聞」中公文庫(431・used)。毎日新聞に掲載されてゐたときに何回か読んだことがあつて、なかなか面白かつた記憶があつた。文庫になつてゐたのは知らなくてBookOffで見つけたので買つた。表紙になつてる「じゃないですか禁止令」。じやないですか、といふをかしな言葉は東海林さだおがずゐぶんまへに取り上げてたと思ふ。因みに毎月新聞のこれは1988.10.21付で、自信はないが、東海林さだおのはうが先ぢやないかなあ。12号「文化の芋がゆ状態」、15号「楽しい制約」、16号「ネーミングの功罪」、28号「三角形の内角の和が180°であることの強引な証明」、34号「真夏の葬儀」などが面白かつた。だんご三兄弟の作者の一人で、いまもNHKの「ピタゴラスイッチ」にもかかはつてゐるさうだ。

2012-01-23

はやみねかおる「都会のトム&ソーヤ⑥ぼくの家へおいで」講談社YA!ENTERTAINMENT(430)手元にあるこのシリーズは、これが最後の1冊。竜王グループが新たに作つたセキュリティシステムとの対決といふ、予想もしなかつた展開。二階堂卓也のまへに現れた老人は一体誰なのか、実に興味深い。ほかにも真田女史、健一、矢吹、黒川部長などのキャラクターに纏はる話を読みたいと思ふ。いまの中学生が主人公といふ建前だが、意外に古い話題(この巻で言へば謎の円盤UFOなど)があるし、ところどころクスリとさせる会話がちりばめられてゐるので楽しめる。次はいよいよ創也と内人で作る究極のゲームが登場するらしい。

2012-01-22

はやみねかおる「都会のトム&ソーヤ⑤IN塀戸」上下/講談社YA!ENTERTAINMENT(429)伝説のゲーム・クリエーター栗井栄太が作つたRRPG、リアル・ロールプレイング・ゲームに参加する内人と創也。上下2冊は長いと思つたけど、あつといふまに読んでしまつた。このシリーズは大人でも結構面白く読める。

2012-01-19

松本大洋「青い春」小学館ビッグコミックス(428・used)。短篇集だ。ピンポンの作者だといふこと、鉄コン筋クリートといふ原作のアニメが欧米で作られたこと(まだ見てゐないが、ぜひ見たいと思つてゐる)、などの知識しか持たなかつたが、半分勉強のつもりで買つた。凄い絵だね。似てゐるな、と思ひ浮かぶ人がゐない。最近の人は殆ど知らないけど、結構いろんな漫画は見てきたけど、敢て言ふならガロとかコムと言つた70年代(間違つてるかも)の漫画雑誌に出てきさうな絵だ。内容もまた凄い。全部不良が主人公で、滅茶苦茶をやる。なのに、惹きつけられるね。

2012-01-17

はやみねかおる「都会のトム&ソーヤ④四重奏」講談社YA!ENTERTAINMENT(427)。内藤内人と竜王創也でなんでトム&ソーヤなのか。ソーヤは創也でいいけど、トムはどうして?の答へがOPENINGに出てくる。今回はマラソン大会、文化祭といふ設定なので、季節はほぼ秋と見てよい。やつぱり頭が古いせゐか季節が分つたはうが楽しめる。

2012-01-14

はやみねかおる「都会のトム&ソーヤ③いつになったら作戦終了?」講談社YA!ENTERTAINMENT(426)。今度は文化祭がメインになるので季節はほぼ秋だらう、と推察する。栗井栄太の正体が分つたと思つたら、今度は新たに謎の「頭脳集団」なるものが登場する。因みに主な登場人物は、主人公「ぼく」内藤内人と竜王創也の二人、ともに中学二年生。創也には二階堂卓也といふボディガード、「ぼく」の憧れ堀越美晴。

2012-01-09

はやみねかおる「都会のトム&ソーヤ②乱!RUN!ラン!」講談社YA!ENTERTAINMENT(425)。未だに本を読む気になれないのだが、このシリーズは読める。スラスラと頭に入る。①で登場した伝説のゲームクリエーター栗井栄太と愈々対決。小説と言ふより読み物だ、と①を読んで書いたのは、季節が特定できないこと、服装、食べ物などの描写が殆どないこと。この本の所有者である娘に季節が分らないと言ふと、そんなことは重要ぢやないよ、と言はれてしまつた、確かに。

2012-01-04

酒井雄哉「一日一生」朝日新書(×4)1年の始まりはやはり大阿闍梨のこの本から。P49「命が残されているっていうことは、今何歳であろうと、まだまだしなくちゃなんないことがあるのとちがうかな」、P81「何をやるにしても「何のために、何をもって」と考える」、常行三昧のあとでP174「習慣っていうのは(毎日立ったまま歩き続けてお経を唱えていると、修行を終えて横になったとき、天井が目の前に立ち塞がる壁に見えた)それくらい人の感覚を狂わせてしまう」「人間のものの見方や心のありようっていうのは、いろんなものでどうにでも左右されちゃうということ」「だから自分から見て、どんなに正しいと思えることでも、もしかしたらいろいろなことにとらわれてそう見えるのかもしれない。自分がどんな立場でそれを見ているのかということをいつもいつも確かめないといけない」。(引用ばかりで著作権に触れるかも)