2005-11-05

なんでいまさら読書日記なのか、といふ事情

ゆふべ娘(7才)と風呂で話をしてゐて、どういふ流れでさうなつたのか思ひ出せないけれども、父ちやんは小学校の6年間に読んだ本は一冊だけだつたよ、といふ話をした。出版社は忘れたし、たぶんその本は実家にも残つてゐないだらうが、少年少女世界文学全集といふ風なシリーズで「三銃士」と「ああ無情」と「ペロー童話」とが入つてゐた。
これを聞いて娘は驚き、なんで本を読まなかつたの?本は面白いんだよ、と教へてくれた。
実はマンガばつかり読んでたからさ、とは言はなかつたし、その一冊だつて、きつと隅から隅まで全部読んではゐないよ、とは言へなかつた。
中学に入つても、3年になるまで、いはゆる文学作品は読んでない。少なくとも自ら買つた記憶もないし、図書館で借りた覚えもない。
万一借りてゐても、恐らく読んではゐない。借りなくちやいけない雰囲気があつたのだ。それに夏休みの宿題では、必ず読書感想文なんてものがあつたのだ。さういふ止むを得ない事情で借りたかもしれないが、読んではゐない。読んだフリだけ。その頃はマンガと絵(美術)にしか興味がなかつたんだよねえ。
唯一、(これは確か一年の時だ、いや違ふか)国語の教師から借りて読んだ「クレイジー・ドクターの回想」(なだいなだ著)だけは最初から最後まで読んだ覚えがある。
そんな状態だつたのが、中3のあの日から、オレは猛烈に本を読み始めることになるのだが、誰だつてそんなもんだよ。キッカケがなけりや、本なんか読まないよ。テレビや映画(ビデオやDVD)を見たり、マンガもあればインターネット、携帯電話、ゲーム、……面白いことは山ほどあるのに、なんで面倒臭い文字を読まなきやならないの?さう思ふのが普通だ。ただ、子どもにはキッカケを作るために絵本を買ふやうにしてるけど、……期待してるわけぢやない、オレがさうだつたし。
それで、なぜだらう、理由はよく解らないけど、読んだ本のこと書いて置かうと思つたのだ。20歳の時、読書録つていふノートを作つた。30になるまで続けた。10年間で500冊だつた。30になつた時、早く50になりたいと思つたものだ。で、もう直ぐ50になる。さて、死ぬまでにどれくらゐ、どんな本を読むのか記録しよう、と。