2009-10-20

矢鱈と評判が高い貫井徳郎を読んでみた。ちよつとまへまではデビュー作の「慟哭」が結構何冊もBookOffに105円で置いてあつたのに、探し始めたら見つからない。止むなく状態のよかつた「ブリズム」創元推理文庫(226・used)のはうを読んだ。一言で言へば、達者な人だ。4つの章に分かれ、それぞれ語り手がかはる。しかも、まへの章で怪しいと目された人物の目から見た事件といふ作りになつてゐる。アントニイ・バークリーの「毒入りチョコレート事件」(未読・創元推理文庫)を手本に更に工夫を凝らした、といふことのやうだ。些細なこと。P223でK氏は山浦先生にどうやつて電話をしたんだらう。デパートでお茶を飲んだ程度で、例へば携帯の番号の遣り取りなんかしないでせう。1週間後に一緒に食事はいいけど、学校には電話できない。クラスの名簿には担任の連絡先は出てるだらうが。そんなことは当り前なんで書かないのか。それと誰が真犯人であるにせよ、チョコレートに睡眠薬を入れる方法が判らないのだから、……オレだけが判らないのかな?文章の横に強調するやうに「ヽ」が打つてある文が幾つもある。ページ番号だけ順に挙げる。P85,103,133,134,138,142,150,210,269,278。なんでなのか。もう一度読む機会があつたら、考へてみよう。

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