2006-04-23

19.黒い家

貴志祐介・角川ホラー文庫(used)
作者が京大出身の人だから、ではないけれども、非常に頭脳明晰な人がコツコツと丁寧に作り上げた小説だなあ、といふのが全体への感想。内容は生命保険に絡む犯罪。ミステリーの要素もあり、一気に読ませる。読み応へは充分だし、面白かつた。但し、最後のはうで高倉嘉子といふ保険外務員が登場するが、これは余計ではないか。それだけのために出て来た人物になつてゐないか。若槻を会社に留める方法はほかになかつたらうか。黒沢恵の猫の一件から、読んでるこつちにも充分予想出来ることに若槻が思ひ至らないのにも無理があると思ふ。金石はなんで殺されたのかの説明も足りない。三善はまあ、解るけど。もともとは森田芳光監督の映画のはうが見たかつた。DVDを一度借りて来たけど、結局見られなくて返す羽目になつた。原作から読んで見るか、映像よりも怖くないだらう、と。やつぱりグロテスクだよねえ、ホラーものは。残酷だし。氏の他の作品も読んで見たいとは思ふ。

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