2006-04-08

15.自動車教習所殺人事件

中町信・徳間文庫(used)
中町作品としては実に地味な作品。最初の事件があつて、続いて密室での殺人が起こつて、しかし容疑者にはアリバイが、……といふ。ちよつと物足りない。これぢや普通のミステリーだよ。破綻もないけど荒技もないわけで、その辺が中町氏の真骨頂だから。癖になつちまふんだなあ。終りのはうに、なんと渋川の阿久津に住んでる人が沼田の自動車教習所に通ふといふ設定があつて驚いた。さうだねえ、渋川と沼田までは前橋までと同じくらゐだらうから15〜20km離れてると思ふ。ま、近場で言へば足利から桐生に通ふやうなもんでせう。30〜40分は見ないと行けないわけだ。これを遠いと見るか近いと見るかは人それぞれだらうが、市内に2箇所(小説の設定年代当時)ある教習所ではなく、敢へて沼田に通ふことにした理由が解りません。中町氏は沼田の出身だから沼田を贔屓してるのかなあ。高校に通ふとか、通勤でならは解るけど、運転免許でせう。近いところに通ふと思ふけどねえ。それに、どうも冬らしいんだよねえ、教習所通ひが。それだけぢやなく、大学四年の女の子が信州のスキー場でアルバイトするから、と言はれて一箇月間、連絡も取られないでゐる親がゐるかなあ。渋川はこの辺の人が思つてるほど雪は降らないけど、沼田は降るよ。積もるよ。どうして沼田にしたの?知りたい。

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