2008-12-14

171.文学的商品学

斎藤美奈子・文春文庫(used)
小説以外のものが読みたくなつて、立ち読みしてたら面白さうだつたのは、「第2章ファッション音痴の風俗小説」の中で渡辺淳一の「失楽園」と丸谷才一の「女ざかり」を取り上げてゐたからで、渡辺淳一の本は一冊も読んだことがないのでなんとも言へないが、丸谷才一はたぶん「裏声で歌へ君が代」だつたと思ふんだけど、確か主人公の男がエレベーターを逆走するシーンで始まつて、そのときの服装をいかにも美術商(だつたかなあ、あとで調べて置かう)らしいセンスのいい服、みたいな説明が地の文にあり、思はず「どこが」と突つ込みを入れたくなつたのだが、ストーリーとか登場人物よりも余計な些細なことにばかりに気になるタチなので、アプローチが面白くて楽しめた。

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