2008-12-10

170.らせん

鈴木光司・角川ホラー文庫(used)
正に「リング」の続篇。かうした○部作ものは、単独では読めないものなのかどうか。少なくともこれは前作の内容をしつかり引き継いでゐるから、いきなりこれを読んだら入つて行けなかつたらう。「リング」よりも話の展開はゆつくりしてゐる。DNAによる再生のネタは映画「ジェラシック・パーク」がさうだつたが、これには原作があつて先日亡くなつたマイクル・クライトンで、どつちが先なんだらう。仕掛けは面白い。「パラサイト・イヴ」みたいに科学用語が頻出するからSF的でもあり、謎解きの要素もあるからミステリ的でもある。ホラーとも、ファンタジーとも読めるから、ジャンルを超えた、と称されてゐるのだが、どうも奇想天外なストーリー展開に寄り掛かり過ぎてゐる気がして、確かに面白いんだけどいま一つ小説を読んだといふ満足感がない。さらに「ループ」があつて、それが完結篇であるといふのだが、もういいかな。重箱の隅を一つ。P14死亡推定時刻が11時49分と正確なのはなぜか、と高野舞が呼ばれるが、その説明がないこと。と、安藤医師はスケベ過ぎないか?

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