2009-11-21

ちよつと時期は早いが忠臣蔵だ。池宮彰一郎「四十七人の刺客」新潮文庫(234・used)を読む。忠臣蔵は知つてゐる。丸谷才一の「忠臣蔵とは何か」も読んではゐる。テレビや映画の忠臣蔵は見てゐるが、小説は読んだことがない。大佛次郎の「赤穂浪士」も。これは面白く読んだ。討ち入りの場面が細かく書かれてゐる。柳沢吉保、色部又四郎、千坂兵部、興味深い人物がたくさん出て来る。吉良と浅野の刃傷は不明のままだが、その後の討ち入りまでの流れはよく判る。侍、武士とは何か。p26内蔵助が風呂で奥田孫太夫に言ふ「人にはいのちより大切なものがある」ここで、ちよつと熱いものがこみ上げ、一気に最後まで読み通すことができた。これまで時代小説はあまり読んだことがない──精々、鬼平など池波正太郎作品、岡本綺堂どまりで、山田風太郎でさへ読めない──ので、なかなか入れなかつた。どこまでが史実なのか、史実を知つたうへで、どう作られてゐるのか、といふ愉しみがあれば、もつと面白いんだらうね。ぢやあ、次は隆慶一郎かな。漫画の「花の慶次」も息子が持つてるので密かに読んでゐるのだが、……。

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