2006-07-16

33.獄門島

横溝正史・角川文庫
都筑道夫氏が「黄色い部屋はいかに改装されたか?」の中で横溝氏の最高傑作と太鼓判を押してゐるから読んでみるかな、と思つた、といふ話は、ひよつとしたら「本陣殺人事件」のところで言つてるかも知れない。20代の頃、……さう、その頃横溝作品はたて続けに映画になつてゐたのだよ。それで原作も、と幾つか読んだのだらう。「犬神家の一族」「悪魔の手鞠唄」「八ツ墓村」(これは贔屓のショーケンがタツヤ役で、確か「ワル」を書いてた影丸譲也がマガジンだかに連載してたなあ、といふことも思ひ出したぞ!それと序でに知つたかぶりすると「ワル」の主人公の名前が氷室京介だつてことは、みんな知つてるのかなあ?)「悪魔が来たりて笛を吹く」と「恐るべき四月馬鹿」(表題作は横溝氏が19くらゐで書いた処女作ではなかつたか?)ともう一つの短篇集を読んでゐる、と、これも「本陣」の時に言つたかな。「本陣」の時は気付かなかつたけど、落語とか芝居のダイアローグを思はせる場面が多いんだよねえ。金田一耕助と床屋の清公との掛け合ひなんかは落語のやうだし、最高傑作かどうかは措くとして、面白く読んだ。

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