2006-05-20

25.ステップフォードの妻たち

アイラ・レヴィン/平尾圭吾訳・早川文庫(used)
これは面白いねえ。解説に「読む人によってさまざまに解釈が分かれたユニークな作品」なんて書いてあるけど、そんなに幾通りもないだらうに。だつたらなんでP79でマージ・マコーミックの洗濯物を洗つてゐるといふキット・サンダーセンの説明「彼女、なにかのウィルスにやられて、今日は動くこともできない」なんて書いてあるの?更にP186でコーネル夫人が棚を掃除してて「背後でガラスが、ちゃりん、と音を立てた」となつてゐるのは、もし違ふ解釈が出来るとしたら、却つてかういふ書き方はズルいでせう。SFみたいだけど、ほかに解釈のしやうがない。それも実に自然に受け入れられるし、あり得ねえ、なんて言ふ気にならないくらゐ丁寧に書いてあるよ。その後で彼女はどうなつたのか、つていふ怖さはあるけど。作者のアイラ・レヴィンは「ローズマリーの赤ちやん」を書いた人で、映画もテレビとビデオで見たし、原作も読んだ。デビュー作の「死の接吻」も読んでる。内容は思ひ出せない。でも、もう一度読みたいと思つてるから、たぶん処分してない、どつちも。これはニコール・キッドマン主演で映画になつてるので、それも見たいんだけど、ニコール・キッドマンは、どつちかと言ふと嫌ひだから、顔が。と、ピーター・ストラウヴつて人の解説がよく意味が解らない。何が言ひたいたんだらう、小難しい言ひ回しは鬱陶しいよ。簡潔でスラスラ読めるのが名作の条件だ、みたいに言つてる本人の文章が、ちと難解なのはジョークですか?

0 件のコメント: