2006-05-10

23.Sの悲劇

中町信・青樹社ビッグブックス(used)
Amazonで購入。実にいい状態でした。Amazonでusedを買ふと送料が掛かる。340円かな。だから、本自体は「1円」なんてのもある。これも「1円」。中町信の唯一の短編集だ。氏が双葉推理賞を受賞した「急行しろやま」が入つてるのかなあ、と思つてたけど、違つた。でも、8つの短篇が入つてる。表題作は、まあまあ面白い。中町信の作品を読んだことがあるかないか、その辺で評価の分れるところだね。「著者あとがき」があるから余計な話はしないはうがいいかな。確かに「サンチョパンサは笑う」のトリックは「あれあれ?どこかで読んだぞ、これ」つて思つたし、「312号室の女」はそのまんまだね。最後の「動く密室」は確かに氏の言ふやうに、惜しい。「自動車教習所殺人事件」があるからね、似たやうなシチュエーションで。ただ、ほしかつたんだよね、唯一の短編集だつて、知つてから。すつかり肩入れしてコレクション(?)を始めてからは、外せない、と。本の状態がよかつたから、より一層満足。中身も、ね。氏に興味のない人には勧めません。先づ「模倣の殺意」ですね。もと「新人文学賞殺人事件」を読んで見て下さい。それを読んでどう思ふか。追記:余計なことなんだけど、誤植を見付けた。「裸の密室」の中のP79の下段2行目「佐美江が臆面もなく言ってのけた(略)」となつてゐるが、これは「美佐江」の筈。

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