2010-08-30

娘に「読んでみる?」と勧められて「ねずみの騎士デスペローの物語」ケイト・ディカミロ/子安亜弥訳(320)を読んだ。図書館から借りた本なので、学校が始まつたら返すといふので日がない。きのふから読み始め、どうにか読み終へた。作者がときどき顔を出して読者に語りかける形式。読み始めたときは「建具職人の千太郎」のはうが面白かつたな、と娘に言つたものだが、やや尻細りではあるものの、どうしてなかなか。デスペローとは、母親が絶望despairの意味で付けた名前。この母親、デスペローが人間と接した罪を問はれ、地下牢へ連れて行かれるとき「さやうなら」と言ふ。P68で作者はあなたがお母さんから聞きたい言葉は「さやうなら」ではなく、「かはりに私を連れて行つて」ではないか、と問ふ。このお母さんの名はアントワネット、お姫さまはピー(と、やや素つ気ない)、デスペローと対決するドブネズミがキアロスキューロ(光と闇を組み合わせて表現することの意味で絵で使ふ言葉ださうだが、スペルがわからないので調べられない)、片耳のない年寄りのドブネズミがボッティチェリ!

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