2008-05-23

140.凶眼 EVIL EYE

打海文三・徳間文庫
帯に「追悼」とある。「残された珠玉の名作は、未来の読者をも魅了するだろう」裏に「ご生前のご功績を忍び心からご冥福をお祈り致します」殺人事件があつて、被害者は「きざはし」といふカルト集団の集団自殺後に行方不明になつた子どもたちと五億円の現金の行方を調べてゐた。誰が殺したのか。ミステリーはそれで作品が組み立てられてゐる。しかしハードボイルドはそこに人間が激しく絡んで事件そつちのけになる。メインの探偵役は武井といふ訳ありの中年男。これにも佐竹とウネ子が出て来る。大須といふ人物の残忍な行動、侮辱的な暴力行為は不快だけれども、これはオレには「時には……」の次くらゐにランクインするかな。大泉町と館林がかなり詳しく語られるので苦笑ひ。

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