2008-05-05

136.ライトニング

ディーン・R・クーンツ/野村芳夫訳・文春文庫(used)
第一部の第一章を読みをはるまでは、いまひとつ乗り切れないでゐた。何度も読み直したりしながら、ゆつくりポツポツ読んでゐたのだつた。まあ、浦沢直樹のMONSTERも読んでたし、「述語集Ⅱ」も並行してたこともある。が、第二章に入るや、ローラが孤児院に引き取られてから第二部の第五章までの凡そ320頁、やめられなくなつてしまつた。トイレに立つ時間さへも惜しいくらゐ。「ストレンジャーズ」はネタバレで言つてしまふが、R.A.ハインラインの「異星の客」(Stranger in The Strange Land)を思ひ起こさせる題名からも解るとほり異星人との接触を扱つてをり、これは過去からのタイムトラベルなのだ。「宇宙家族ロビンソン」から「スタートレック」(ここはやはり「宇宙大作戦」と呼ぶべきだ)「タイムトンネル」などなど、子どもの頃にワクワクして見たり聞いたり読んだりした空想物語、SFと呼ぶにはもつと荒唐無稽な世界、それがこんなに分厚い本でみつちり真剣に書かれているのだから、途中でやめられるはずがない。──が、一つだけ。ラストシーン近くになると詠嘆調になるのがちよつと、ほんのちよつと白ける。

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