2008-01-07

97.北国街道殺人事件

内田康夫・徳間文庫(used)
こつちを先に買つたのだが、書かれた順番が「萩原朔太郎の亡霊」のはうが早いので順に読むことにしたのだ。やはり解決部分が物足りなく感じた。朔太郎の亡霊では頻りに所轄の警察への礼儀といふことが出て来たが、ここでは竹村警部は東京でなかり自由に捜査してゐる。第三章の終りで「被害者宅を訪ねて親戚やら知人やらを当たって、いろいろと面白い事実を聞き込むことができましたよ」と竹村警部は言つてるけれども、読み手に解つてゐるのは被害者の実家である新潟での聞き込みだけだ。それが書いてなくても、死体の摺り替へだらう、くらゐは予想がついてゐるから構はないが、ちよつと不満がある。あれほど苦労してゐた野尻湖の最初の事件は、一体どんな風に実行され、なぜ二つ目の野尻湖での事件のやうに目撃者がなかつたのか、その辺はきちんと説明してほしい。これで続けて3冊読んだわけだが、オレが期待するミステリーではないやうだ。

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