2017-05-05

688.食品の裏側

安部司・東洋経済新報社(吉岡町図書館)。副題に「みんな大好きな食品添加物」と書いてある通り、食品添加物の話。冒頭、数十個の白い粉の小瓶を混ぜ合せて「とんこつラーメン」のスープを作る話から、コーヒー用のポーションは水とサラダ油と添加物から作られ、健康飲料にはサボテンに寄生する虫をすりつぶした染料が使はれてゐるとか、パックのサラダが実は殺菌剤のプールで何度も消毒されたものだとか、ミートボールが廃棄寸前のクズ肉の再生品であるとか、読み進むと添加物のない食べ物はないんぢやないか、と気が滅入る。
なるべく少ないものを選ぶ以外に自衛手段はない、といふことだ。食品の裏表示を見る習慣はあるけど、添加物は種類が多くて覚え切れない。そこで秘訣。台所にないものは添加物と見做せ。これが一番簡単だと言ふ。
例へば幕の内弁当に、アミノ酸等、Ph調整剤、グリシン、赤102号、リン酸、乳化剤、ソルビン酸カリウム、増粘多糖類、亜硝酸ナトリウム、なんて書いてあつたら、それらはみーんな添加物だ。パンにはブドウ糖果糖液糖が、インスタントラーメンにはたんばく加水分解物が屢々含まれてゐる。特に気をつける食品は、明太子、漬物、練り物、ハム・ソーセージの類ひ。
この本には続篇がある。

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