2016-06-26

653.軟弱者の言い分

小谷野敦・晶文社(used)。これは作者名だけは知つてた。amazonのレビューで何度か見掛けて、wikiで調べたことがある。どこかの大学の教授だか助教授だか助手だかの肩書きだつたかなあ。違つた、現在明大の講師つて書いてある。雑な印象では反蓮實重彦みたいな発言だつたと思ふので記憶してゐる。
最近、三島賞を受賞して、これは傑作ぢやない、とかワケの解らねえことを言つてる蓮實重彦つて年寄りがゐる。候補を辞退すりやいいだろ、と思ふんだけど、サルトルだつてノーベル賞候補辞退したろ。なにもサルトルと比べなくたつていいんだけどさ。この人がどうも好きになれなくて、顔が先づダメで、何冊か館林の図書館で借りて読んだことがあるんだけど、言つてることがよく解らない。序でに言ふと柄谷行人つて人もよく解んねえんだけと。何言つてるか。
まあ、いいや。これはエッセイで、BookOffで物色してたら見つけて、パラパラめくつてたら金井美恵子に就いての一文があつたので立ち読みしようかと思つたけど、108円なんで、買つた。ほぼ斜め読み。覚えてることの中で、あれ、と思つたことを書く。
筆者は吉村昭を尊敬してるさうだ(P264)。で、吉村氏は小説家志望だつたが、敢へて新人賞に応募せず同人誌に書いて来た人だ、と(P59)。氏の「私の文学漂流」を元にさう書いてゐるやうだが、念のためこの本の一応最初から最後まで、吉村昭に関する文章を探して調べたけど、どうも本当にさう思つてゐるらしい。
と言ふのも、オレの記憶では吉村昭は確か太宰治賞を取つてデビューした人だと思つてゐたからだ。ちよつと自信がなかつたので確認したけど、やつぱり「星への旅」で1966年第2回の受賞である。佳作が加賀乙彦。第3回が金井美恵子だ。なんでこんな簡単な間違ひをするんだらう。尊敬してるなら、尚更だ。

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