2012-12-07

樋口有介「ピース」中公文庫(504・used)前橋出身の人といふことで名前は知つてゐた。始めて読んだ。実に巧みな文章で、説明する文章は少なく、会話の中で登場人物が浮かんで来る。連続殺人がなぜ起きたのか、そこのところが今ひとつ納得できない。読み応へは充分なのだが。→読み終へて改めて表紙を見るとピースといふ言葉から受ける印象も複雑だ。子どもたちが無邪気にピースサインを出してゐる。しかし、それで本当に連続殺人が起こつたとしたら、事故の遺族の方々は耐へられないだらう。どんなに不謹慎だつたとしても、所詮子どもがやつたことでせう。なんども言ふけど、アルフレッド・ジャリの事故とカメラマンといふ一文に尽きる。マスコミのかかはりかたにこそ問題がある。(2012.12.14追記)これからは後から記入したときは、こんな風に(自分でも)解るやうにしよう。遡るのが面倒だけど、暇を見つけては直して行かうと思ふ。

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