2012-12-21

小泉喜美子「弁護側の証人」集英社文庫(508・used)題名に釣られて買つてしまつた。クリスティのは「検察側の証人」で、当然、この作者はそれを念頭に題名を決めたのだらう。見事なドンデン返し。勝手にこつちがさう思ひ込んでゐただけなのに、最後の章を読み始めて、やられた、と思つた。改めて序章をひつくり返すまでもなかつた。さう、そんな風に、こつちが勝手に思ひ込んだだけなのだ。これがオール読物ミステリ新人賞で入選しなかつたといふんだからねえ。P.D.ジェイムズの「女には向かない職業」の訳者でもある。

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