2009-12-14

けして悪く言ふつもりはない。面白かつたし、P395の最後には戸惑ひと驚き、さうか、さう来たか、は、ある。先づ、上手だよね。と、文章が上手いなあ、と思ふ。一つの文章を読み返すことも、まへのページへ戻ることもなく、どんどん読める。これはなかなか難しい。貫井徳郎「慟哭」創元推理文庫(236・used)を読んだ。ボロボロぢやないのを渋川のBookOffで手に入れたので。……しかし、P338〜339の犯人からの手紙はネックだらう。これを素直に、さういふ悪戯の手紙はいくらでも来るんだな、と受け取るか、いや、これはをかしいぞ、と見るか、これは賭けかも知れない。最後まで読んでから、ちよつと待てよ、と読み返したのは、この部分に無理があるやうな気がしたのだ。オレは正直、これはズルくね、と感じた。ま、書き手寄りに読めば、さう期待してるのだらうか。まへに読んだ「プリズム」でも感じたことを、これにも感じた。ここまで書くのなら、もつと汚れた、穢い部分まで書かないといけないんぢやないか、といふこと。スマートで行儀よく、見栄えもいい、お手本のやうです。上手く言へないのでhiko7 newsで書くかも。

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