2007-08-12

82.奥利根殺人行

中町信・ケイブンシャノベルズ(used)
偶然、Book Offで見つけた。もう近所のBook Offやほんだらけでは手元にない中町信は手に入らないと思つてゐた。
これはなかなかよく出来てるんぢやないかなあ。多門耕作シリーズの3作目で、これ以降多門耕作シリーズは書かれてゐない。このシリーズは気に入つてゐるので残念だ。特に多門の推理の仕方が、他の中町作品と微妙に違ふやうに思へる。犯人を絞つて行く時にあまり飛躍しない。と言ふか、判断保留、可能性もある、といふ姿勢でゐることがある。そのはうが自然だと思ふので気に入つてる。相棒の堀田晴代が典型的な中町的な素人探偵かな。中町作品ではお馴染みの、読み手が勝手に勘違ひして推理するやうに書かれてゐるが、プロローグを注意して(先入観を捨てて)読めば犯人は当て易いし、トリックも解り易い。蛇足ながら、多門耕作は渋川の出身で、渋川高校のOBなのださうだ。

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