2007-07-17

模倣の殺意(再読)

中町信・創元推理文庫
これはやつぱり面白い。二度目、この前の状態の「新人文学賞殺人事件」も読んだから三度目になるわけだが、面白い。センテンスが短く、東海林さだおみたいに行替へが早いから、スラスラ読めてしまふ。「とか」はあんまり気にならなくなつた。この仕掛けはホントに意外だつた。そんなのありかよ、と思ふけど、あり得ないとは言へない。まだここでは「あの人が犯人だ」と登場人物が激しく独断的に(読者のはうが寧ろ「おいおい、そこまで言つて大丈夫かい?」と心配するほど)思ひ込み、刑事さながら問ひ詰める、といふ展開は表に出てないけど、柳沢邦夫を疑ふ津久見伸助にはその兆候がある。

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