2007-07-13

飛騨路殺人事件(再読)

中町信・TOKUMA NOVELS
二年くらゐ前に読んだから、殆ど忘れてゐたけれども、登場人物の会話を中心に推理が進むといふ、中町信の定石。だから後半で真犯人は誰かといふ辺りで、強引な推理と言ふか、さう決め付けるのはまだ早いでせうに、とか、あの腕時計のことはどうなつたの、とか、どうやつて南条美雪を突き落としたのか説明がな〜い、とか、殺人犯を別人と思ひ込んでた強盗犯人が、なんで脅迫状の下書きの一行目の頭に新田多岐子と書いたのか、など、疑問が残るのだ。前に読んだ時の感想はどうだつたのか。かういふところが中町信の魅力でもあるのだが。作家専業になる前、1988年以前のはうが充実してる、といふ折原一の意見に賛成。「模倣の殺意」でも読み返すか。

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