2006-10-14

52.皇帝のかぎ煙草入れ

ディクスン・カー/井上一夫訳・創元推理文庫(used)
中町信氏の「空白の殺意」(=「高校野球殺人事件」)のあとがきに、この作品みたいなものが書きたかつた、と出てゐて、ディクスン・カー(=カーター・ディクスン)は1冊も読んだことがなく、いづれ本屋で思ひ出したら買つて読まう、みたいなことを4月の「空白の殺意」のところで書いてる。太田のほんだらけで見付けて300円だつたけど、状態がすごくよかつた。始めはどうにも読み難くて、例のダメなタイプの文章ではないんだけど、言動以外の記述に癖があつて慣れるまでに20〜30頁必要だつた。読んでくうちに思ふツボ。ロウズ家の誰かに違ひないと考へたワケだ。ところが、……肝心のところを読み返し、確かにさう書いてあるぢやアないか。確かにこれは中町的だ。次はもう一度「空白の殺意」を読み返すことにしよう。

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