2006-08-26

44.佐渡ヶ島殺人旅情

中町信・青樹社ビッグブックス(used)
元は「佐渡金山殺人事件」。でも、これはをかしいよね。佐渡金山つて言ふけど、佐渡金山付近で死体が見つかるのは1人だし、別に佐渡金山にまつはる連続殺人といふワケでもないので、こつちの題名のはうがいいでせう。えーと、P39で浜岡ゆり子が北本さんとは面識がないのに「すれ違つた」と証言するのはなぜですか?それと写真の話からホテルの入り口にオームの彫像が、と既成事実みたいに展開するのも撹乱の一種でせうか。これは氏家シリーズの第一作なのだが、どうやらここから始まつてるらしいのは氏家早苗の思ひ込みで、どれほどそれが捜査の妨げ、読み手の推理の妨げになつてゐるか、計り知れない。疑問に思ふことがあつても、横からガチャガチャ的外れみたいな意見を言はれて、と言ふか読まされてるうちに、疑問のポイントを見失つてイライラするのだ。上手い設定だね。写真の女だ、といふメッセージも、さう。そこにゐたすべての人ではないことは、慣れると解るので特にダイナミックな展開ではありませんね、中町さん。

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