2006-03-23

12.七つの棺

折原一・文春文庫
太田イオンの喜久屋で図書カードで購入。(たぶん解説の立ち読みや誰かの批評の読み違ひ?の)先入観で綾辻行人氏の傾向なのかと思ひ込んでゐたが、少なくともこれは違ふ。密室殺人の茶化しで、痘痕も靨的に、ここがダメでイヤなんだけど好き、といふ茶化し。折原氏の作品は初めて読んだ。ディクスン・カーの名前が頻繁に出て来るけれども、恐らく1冊も読んだことはない。F.W.クロフツだつて最近だから。ディクスン・カーとヴァン・ダインは1冊も読んでない筈だ(変な自慢をするな!)。氏は北村薫氏の高校の後輩なんだとさ。北村薫氏の「空飛ぶ馬」かな、あれは図書館で借りたけど読まないで返した。なんか入つて行けないんだね。惹かれないものがある、としか言ひやうがない。薫序でに言ふと高村薫氏の作品は1頁読めない。最初の1行から先に行けない。頭に入らない。全く違ふ言語みたいだ。読んだことない序でに言ふと、司馬遼太郎と山本周五郎は1冊も読んだことないし、今後も読まないだらう。須田さんには悪いけど、立原正秋もたぶんオレは読まないよ。話が逸れたが、七つは多いね。元は「五つの棺」ださうで、そのくらゐの分量のはうが後味がいいかも。満腹。軽い笑ひの面白さと本格物的な密室の両方が味はへる。

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