2018-02-04

739.いい加減にしろよ(笑)

日垣隆・文芸春秋(吉岡町図書館ブックリサイクル)。名前は見たことがあるやうな、ないやうな、他の人と勘違ひしてるかもしれないが、タイトルはちよつと面白さうだから手に取つてパラパラ。第一章の細木数子はささツと読み飛ばし、次の平山郁夫のところを拾ひ読みしてたら、ここで立ち読みするなら貰つて帰らう、といふことになつた。日本の美術で「世界をマーケットに通用してきたのは浮世絵だけではないか」と第二章「画家鑑定 平山郁夫──権力獲得の裏面史」の終りのはうに出て来る。いま世界で取り上げられてゐる日本の現代美術はオタク系やアニメ系ものだが、そもそも北斎漫画などの浮世絵も似たやうな成り立ちなのだから、日本美術なんて国内では名前を知られた人だとしても、日本画にしても洋画にしても、所詮限られた作者が世界のほんの一部の熱心な人たちが興味を持つてるだけなんだよ。それにしても平山さんは奇妙な人だ。他には犯罪や警察捜査、再犯、精神障害犯罪者や心神喪失者に対する(被害者の存在を忘れた)過剰な保護姿勢などへの言及もあり、氏の他の著作も読んでみたいと思つた。

0 件のコメント: