2012-06-02

川端康成「雪国」新潮文庫(×2)むかーし読んだことがあるので、再読。殆ど覚えてない。駒子はかはいい人だなあ、といふ印象だけ残つてた。後は関水のことをhiko8さんに指摘されて、もう一回読むかなあ、と。三島の「禁色」でへとへとだつたし。ゆつくり読み返しても、よく意味がわからない小説。特に駒子と島村の男と女の関係が具体的に書かれてゐないからね。ここはさうなのかなあ、と推理するしかない。例へばP30の最後の3行目「突然激しく唇を突き出した」、の次の「しかしその後でも、寧ろ苦痛を訴える譫言のやうに」のあひだで、なにかあつたと推察できる。P31の中程、「私が悪いんぢやないわよ、(略)」などと口走りながら、よろこびにさからふために袖をかんでいた。──といふ辺りは、さういふ状態なんかなあ、と。具体的にさう言ふ場面が書かれてゐないので、話が飛んでる気がした。
ほかにも幾つか、さういふことがあつたんかなあ、と思へる場面はある。兎に角駒子がいいね。映画になつたのは、最初のは見てなくて、木村功が島村を演つて、駒子が岩下志麻だつた。駒子と言へば岩下志麻。これは覆せない。どんな人が演じても。読み返した理由の一つに、まあ、どうでもいいことだつたけど、あるとき石垣純二の常識のウソといふ本で、雪国の中に生理中に交はるところがある、と書いてあつたのを思ひ出した。で、そんな場面があつたなあ、と確かめようと思つたのも読み返した些細な理由。記憶になかつたからね。で、ゆつくり読んだつもりだけど、該当する場面はわかりませんでした。それにしても駒子はかはいい。

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